NANA MOUSKOURI “ハートのクイーン”
写真上は、アルバム・タイトル≪ALONE/NANA MOUSKOURI≫(PHILIPS 28PP-104 1985)の邦盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このLPは1985年の録音で、ヒット曲のほかにトラディショナル・ナンバーも幾つか収められております。ナナが50歳の坂にさしかかる頃の作品ですが、その歌声は衰えを見せず、円熟したフィーリングのヴォーカルを味わう事が出来ます。
ハートのクイーン
今回は、本LPに収められている≪ハートのクイーン≫を紹介致します。この曲は、トラディショナルなフォークソングのひとつで、採譜・編曲はジョン・サケルです。『今日ここに居るあの人は、明日にはもう行ってしまう。愛する人と別れたら、私はどうすればいいのでしょう。父も母も兄弟も愛しているけれど、みんなを捨てて、私は貴方と一緒に行きます。・・・』という愛の歌で、ナナは英語歌詞で唄います。
ハートのクイーン THE QUEEN OF HEARTS
ハートの女王様へ
悲しみのエースは
今日はここへ
明日は何処へ
若い男なら 沢山いても
恋人にするには わずかしかいない
もし 私の愛しい人が行ってしまえば
私はどうすればいいと言うの
私の聞いた話では
あそこの山の中には
金や銀が
数えきれない程あると言う
私には貴方の心が
読み切れない
私の目は
何も見えない
私は父を愛している
私は母を愛している
私は妹を愛している
私は弟を愛している
私は友人を愛している
そして 親戚もみんな
でも 私は全てを投げ捨てて
そして 貴方と一緒に行くわ
ジョゼ・スークのギターをフィーチャーした伴奏により、ナナはしみじみとした美しいヴォーカルで愛ゆえの家族と友との別離の歌を唄います。