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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “二人の間には”

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NANA MOUSKOURI “二人の間には”

写真は、アルバム・タイトル≪UNE SOIREE AVEC NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 885.549/50 FRANCE)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。本LPは、NANAが1969年1月13日、パリのオランピア劇場で開いた特別コンサートでの模様を収めた実況録音盤です。このコンサートは、ナナとジ・アテニアンズとのワンマンショウで、聴衆に深い感銘を与え大成功を収めました。日本では、≪ベスト・アプローズ/ナナ・ムスクーリオランピア劇場実況録音≫(FONTANA FD-9273-4)として発売されています。

二人の間には

今回は、本LPに収められている≪二人の間には≫を、紹介致します。この歌は、ナシュム・ヘイマン(Nachum Heiman)が作曲し、ミッシェル・ジュールダンがフランス語歌詞を書いたもので、原題はフランス語で≪私達二人の間に川がある≫です。フォーク調の親しみやすいメロディーを持った佳曲で、<私達二人の間には、越える事が出来ない河があります。手を取り合うことも出来ず、互いを思う想いが一層つのって行く。冬が来れば・・・。>と、想いが綴られていきます。

二人の間には ENTRE NOUS DEUX LA RIVIERE

二人の間に流れる河は
別々の岸に私達を分けてしまう
古い石の橋もあったのに 朽ちてしまって
今宵はそれもなく
向こう岸から渡って来られない貴方は
不幸せ
独り残された私の悲しい心も
涙の中島
独り残された私の悲しい心も
涙の中島


降るにつけ
照るにつけ
河のほとりで一人
私は鳥をうらやむ
あんなに飛べたなら
わけもなく渡って向こう岸に
朝な夕なに
貴方のふところに行けようものを
朝な夕なに
貴方のふところに行けようものを


泳いで渡るすべを知らぬ二人は
なんと不幸で悲しいことでしょう
冬がめぐって来たならば
河の水も凍ることでしょう
ああその時こそ待ち遠しい
その時こそ 貴方は向こう岸から
私はこちらの岸から 河を歩いて渡って
駆け寄って手を取り合うことが 出来ようものを
私はこちらの岸から 河を歩いて渡って
駆け寄って手を取り合うことが 出来ようものを

ジ・アテニアンズの演奏をバックに、ナナの素直なフィーリングの演唱にも豊かな詩情が漂っています。

NANA MOUSKOURI “恋人たちのために”

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NANA MOUSKOURI “恋人たちのために”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/VIVRE AVEC TOI≫(GRAND RECORDS GLP80004 1980 CANADA)の洋盤LPの裏面です。このLPは、有名曲とオリジナル曲がバランス良く配分され、ナナの透明感溢れる唄声に、美しい旋律が輝きを増すアルバムとなっております。国際的な歌手としての実績が余裕と貫録を感じさせるLPです。日本にては、アルバム・タイトル≪愛のひととき/ナナ・ムスクーリPHILIPS 28PP-8 1980)として発売されています。

恋人たちのために

今回は、本LPに収められている≪恋人たちのために≫を紹介致します。この曲の原曲は、メキシコ歌曲の≪ラ・ゴンドリーナ≫[LA GOLONDRINA;スペイン語で燕(つばめ)]で、メキシコ出身の医師であったナルシソ・セラデル・セビージャが作曲しました。この曲を、J.Johnsが編曲し、ミッシェル・ジュールダンがフランス語歌詞を書き、もともとの<望郷の唄>が<優しさと力強さを持った恋人達の祈りの唄>となりました。
ナナが唄う≪ラ・ゴンドリーナ≫については、以前に当ブログにても紹介しております、御覧下さい。

恋人たちのために POUR TOUS LES AMOUREUX

幸せな恋人達すべてのための 歌
息づく心と目で 書かれた 歌
二人で生きていきたいという 強い気持ち
それを味わったことのある人のための 歌
望みがかなえられますように と
お互いに言い合う人達のため
希望はきっと大きくなってくれるはず
二人の祈り 浜辺の太陽
恋人達すべてのための バラード


恋人達すべてのための 歌
涙も 不幸も 別離も知った
私達の恋の行方を歌う 歌
まだまだ 希望があふれている
望みがかなえられますように と
悲しんでいる人達のため
希望はきっと大きくなってくれるはず
恋人達すべてのための 私達のため
このバラードは 神様からの贈り物


ほら 貴方の目にもバラードが・・・・・

ナナの爽やかな唄声が、軽やかなギリシャの民族楽器であるブズーキの哀愁のあるメロディーに乗って、恋人達の想いを語り掛けてくれます。

NANA MOUSKOURI “波の彼方に”

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NANA MOUSKOURI “波の彼方に”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “Quand tu chantes”≫(PHILIPS 9101 093 1976 CANADA)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。このアルバムは、1976年の録音で、ナナのさりげない素直なフィーリングの中に、彼女ならではのユニークな個性が発揮されています。日本にては、同様の邦盤LPが≪青空の恋人≫PHILIPS FDX-309 1977)として発売されています。

波の彼方に

今回は、本LPに収められている≪波の彼方に≫を紹介致します。この曲は、クロード・ルメールが作詞し、作曲はこの曲の伴奏指揮を担当しているアラン・ゴラゲールです。雄大で揺るぎない大海原の姿を描きながら、あくせくして生活している人間社会のあり様に批判を加えた一編です。<大海原はいつものまま、急がずにゆっくりと、いつまでも限りがない。・・・>

波の彼方に L’OCEAN

そう 大海原はいつものまま
大海原は限りがない
そして 大海原は
大陸や船を回す・・・
貴方は蟻
ちっぽけな人間
貴方は陸に住む者
なんでもないただの者
でも 貴方は生き
やたら一生懸命になっている
これ以上 突進することは出来ないわ
そして 貴方の家や 貴方の考え
貴方の歌は
すべて急いでいる


大海原はいつものまま
急がずにゆっくりと
いつまでも限りがない
私達のそば
休息の大陸は
大騒ぎの中で
ハンマーや現場監督
警報の叫びなどが
貴方を息苦しくさせている
ヒステリックな車の中の 洪水の中で
郊外道路が 殺到している中で
貴方は自分で 自分を殺している
そして毎年
自分で 自分を馬鹿にして
人生を台無しにしている


でも 大海原はいつものまま
身を守り 譲らない
大海原 大陸 そして巨人

 
大海原はいつものまま
大海原は限りがない
そして 大海原は
大陸や船を回す・・・


大海原はいつものまま
急がずにゆっくりと
いつまでも限りがない

ナナは、コーラスや一人二重唱をまじえ、のびのびとした演唱を聞かせます。アラン・ゴラゲールの効果的な伴奏が、ナナの演唱を引き立たせています。

NANA MOUSKOURI “荒野の汽車”

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NANA MOUSKOURI “荒野の汽車”

写真上は、アルバム・タイトル≪DIS-MOI 愛のささやき/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5069 1973?)の邦盤LPの表面で、写真下は見開きのスナップ写真です。このLPは、1971年と1972年に録音された曲で編集、全ての曲がフランス語歌詞にて構成されております。ナナの円熟味を増した魅惑の唄声を、充分に味わうことが出来るアルバムです。

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荒野の汽車

今回は、本LPに収められている≪荒野の汽車≫を紹介致します。この曲の原曲は、バンド(John Band)が作曲した≪トレイン・オン・ジ・アイランド:TRAIN ON THE ISLAND≫です。この曲に、ピエール・ドラノエがフランス語歌詞を書きました。荒野を走って遥かな新しい国へと行く、止まらない汽車への思い入れが描かれています。この歌は、1971年に録音されたもので、ナナはジ・アテニアンズの伴奏をバックに唄います。

荒野の汽車 LE TRAIN DANS LA PLAIN

荒野の汽車は
止まらない
時間がないから
それは私の手の届かない所へ行く
それは私の手の届かない所へ行く
それは私の手の届かない所へ行く


荒野の汽車は
小鳥で一杯
海の方へ飛んで行く鳥で
新しい国の方へ
新しい国の方へ
新しい国の方へ


荒野の汽車は
けれど年寄り
それでも走って
私にさよならを云う
私にさよならを云う
私にさよならを云う


荒野の汽車は
止まらない
止まりたくはないの
私の為に
私の為に
私の為に

ナナは、ジ・アテニアンズのメンバーであるジョルジュ・ペツィラスの軽妙なブズーキの演奏に乗って、新しい国へ向かう止まらない汽車に思いを託して唄います。

NANA MOUSKOURI “私の恋”

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NANA MOUSKOURI “私の恋”

写真上は、アルバム・タイトル≪VIEILLES CHANSONS DE FRANCE/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6499 631 1973 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このLPには、フランスの古いシャンソンが集められています。外国の歌手であるナナがフランスの民謡に挑み、見事な成功を収めた記念すべきアルバムです。日本にても同様なLPがアルバム・タイトル≪桜んぼの実る頃/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5094 1974)として発売されています。

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私の恋

今回は、本LPに収められている≪私の恋≫を紹介致します。この曲は、フランスに古くから伝わる民謡に、アラン・ゴラゲールがアレンジを施しました。フランス民謡集よりピックアップされた歌で、原題はフランス語で《私の愛》です。少女が抱く愛の純粋な情景が、愛らしい表現で綴られていきます。ナナは、センスの良い現代風のスタイルで、心にしみわたるように丁寧に唄います。

私の恋 L’AMOUR DE MOY

私の愛は 垣で囲われている
中には 小さい綺麗な庭があって
バラや鈴蘭が咲いている
それから タチアオイ


その庭は 綺麗で気持ちがいい
色んな花で 飾られていて
そこで 飛び跳ねることも出来る
夜でも 昼でも


一番 優しいのは
あの甘い ナイチンゲールの声
夜から 朝まで鳴いている
そして疲れたら 彼は休むの


私の愛は 垣で囲われている

ナナは、アラン・ゴラゲールの編曲と伴奏指揮に乗って、原曲の味を損なわず、少女の愛の純粋な表現をロマンチックに唄います。