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NANA MOUSKOURIの“ギリシャ”への思い

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NANA MOUSKOURIの“ギリシャ”への思い

NANAがギリシャからパリに持って来た数多いいすぐれた曲の中に、“伝説の島”という曲があります。この曲は、NANAの恩師マノス・ハジダキスが作曲し、『その男ゾルバ』等で知られるギリシャの偉大な小説家・詩人であるニコス・カザンツァキス(ニコス・カザンザキス)が歌詞を付けた作品です。ニコス・カザンツァキスもNANAと同じクレタ島の出身です。

写真上は、NANAオランピア劇場実況録音で“ナナ・ムスクーリ ギリシャを歌う”(NANA MOUSKOURI CHANTE LA GRECE)FONTANA SFX-5043で録音時期の記載はありませんが、1972年に発売されたLPです。この実況録音盤では、イントロダクションの後に“伝説の島”が歌われ、エンディングにても“伝説の島”が歌われています。

 

また、同時期に発売されたイギリス国内で開催されたコンサートの模様を録音したLP“ナナ・ムスクーリ オン・ステージ”(NANA MOUSKOURI BRITISH CONCERT) FONTANA SFL-9108~9 にても同様に“伝説の島”がイントロダクションの後とエンディングに歌われています。写真下

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伝説の島”がギリシャを代表する曲として歌われたといえばそれまでですが、当方には以前から気になっている曲の一つです。NANAはジ・アテニアンズをバッグにこの曲を唄う前に、内容の説明をしながら唄い出します。

 

伝説の島(DEN ITAN NISSI)

伝説によれば、アレキサンダー大王には、クレタの海に住んでいる人魚の妹がいました。
彼女は、兄さんが死んだことを決して認めようとしませんでした。
自分が正しいということを確信するため、そこを航海する船乗り達に、アレキサンダー大王が生きているのか死んでいるのか尋ねることにしていたのです。
もしその答えがノウなら、彼女は泣きに泣いてその涙で船を沈めてしまったのです。
しかし、アレキサンダー大王は生きていて世界を征服したという答なら、ここちよい風を送って、歌を歌いながら船乗り達を安全に家まで送りとどけたのです。

 NANAは“伝説の島”を気迫が伝わるほどの力強さで歌います。この唄声を聴いていると、唄の向こうにNANAの故郷であるギリシャが、そしてクレタ島が見え来ます。NANAにとって、この唄には特別の思いがあると思えてなりません。日本で発売されているCDには、この曲が収められていないのが残念でなりません。