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NANA MOUSKOURI“谷間に三つの鐘が鳴る”

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NANA MOUSKOURI“谷間に三つの鐘が鳴る”

写真は、1974年に収録されたLPNana’s Book of Songs”(FONTANA SFX-6036 1975)で、同年NANAはイギリスに渡り、BBCテレビのシリーズを録音した後、イヴォンヌ・リトルウッドの提案によって、英国で制作されました。きわめてなごやかな雰囲気の中で作られたレコードだけに、NANAも伸び伸びと本領を発揮して親しみやすい名唱となっております。

LP発売に当たり、NANAは以下のコメントを付しております。

 

皆で作り上げたアルバム

このアルバムの企画はイヴォンヌ・リトルウッドであり、タイトルとジャケットのデザインはロバート・マゴワンの提案によりました。

1974年の私のテレビのシリーズを、才能ある制作スタッフたちの熱意と貢献で、順調にレコーディングした後、私達一同はB.B.Cの仕上げ室に集まり、その間ずっと友好的にいろいろなことを決めました。

記念として、そのメンバー全員に、愛と感謝をこめて、このアルバムを献呈したいと思っています。

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今回は、日本でのアルバム・タイトルとなっている“谷間に三つの鐘が鳴る”を紹介させて頂きます。この曲はシャンソンのスタンダード・ナンバーで、人間の一生を誕生結婚葬礼の3つの鐘に託して歌っており、作詞作曲家兼歌手のジャン・ビヤールが1946年頃に作ったものです。同年に今は亡きエディット・ピアフが、9人組のコーラス・グループのシャンソンの友と共に吹込み大ヒットさせました。英語歌詞は、バート・レイスフェルドでザ・ブラウンズのレコードが、1959年にヒットしています。NANAとザ・キングス・シンガーズのこの録音も、ピアフ盤に劣らない名唱といえます。

 

谷間に三つの鐘が鳴る  THE THREE BELLS

深い谷間に 人里離れた村があり 半分 荒れ放題の松林の中

そこで あるすがすがしい朝 リトル・ジミー・ブラウンは生まれた

そこで両親は ジミーが生まれてわずか1日後に 彼を礼拝堂へ連れていった

そして 牧師は小さなジミーのために祈った“ようこそジミー 教会に”

 

谷間の小さな町に すべてのチャペルの鐘が鳴りひびき 人々が歌った歌は

赤ん坊ジミー・ブラウンのためだった 少しばかり集まった人たちは

神のお導きを祈った“私たちを誘惑へ導くなかれ この黙想の時を祝福されよ

彼を永遠の愛と光へ導きたまえ”と

 

深い谷間に 人里離れた村があり 回りを高い山に囲まれたその麓

そしてそれから20年 ジミーは彼の恋人と出会った

多くの友がチャペルに集まり 喜びの涙が流された

ジミーとその花嫁が結婚したのは 6月のある日曜日の朝

 

すべてのチャペルの鐘が鳴りひびき それは彼にとって人生最高の日

なぜなら人々が歌った歌は ジミーと彼の妻のためだったから

そして少しばかり集まった人たちは 神のお導きを祈った“私たちを誘惑へ導くなかれ 神よこの儀式を祝福せよ 彼らの人生が愛で満ちあふれんことを”と

 

深い谷間に 人里離れた村があり そこから ある暗い灰色の雨の日に

一つの魂が天国に飛んで行った ジミー・ブラウンが死んでしまった

旧い友に別れを告げるため 悲しみの人たちがチャペルに集まった

最後まで芽を出し 咲き乱れた花のようだった彼の人生

 

谷間の小さな町に たった一つの鐘が鳴り 

それは我らのジミー・ブラウンおじさんのための告別の歌

少しばかり集まった人たちは 神のお導きを祈った “私たちを誘惑へ導くなかれ

彼の魂が救われんことを 汝の偉大なる永遠の愛の救いを”と・・・

シャンソンのスタンダード・ナンバーの名曲を、NANAは完全に消化し、美しい声に感情を込めて、しみじみと唄い聞かせてくれます。リラックスして聴いていたい曲の一つとなっております。