NANA MOUSKOURI“ナントの囚人・ナントの橋”
写真上はアルバム・タイトル≪恋人たちの詩集~美しきフランス~≫NOUVELLES CHANSONS DE LA VIEILLE FRANCE(PHILIPS FDX-530 1978)の表面、写真下は裏面で、NANAはフランスの民謡を特に好みいろいろな曲を歌っていますが、本盤も素晴らしい選曲によるフランス民謡集に仕上がっております。日本に初めて紹介される珍しい民謡も含まれております。
今回は、本LPに収められている“ナントの囚人”と別LPに収められている“ナントの橋”について紹介致します。西フランスの古い町ナントを舞台にした民謡としては、“ナントの囚人”(ナントの鐘)や“ナントの橋”(ナントの橋の上で)が有名です。NANAの唄う“ナントの橋”は、以前に本ブログで紹介したLP≪桜んぼの実る頃≫に収められております。
ナントの橋 LE PONT DE NANTES
※“ナントの橋”は、18世紀頃の民謡とされていますが、歌詞も異なるものがあります。共通するストーリーは、以下のとおりです。
ナントの囚人 Dans Les prisons de Nantes
※“ナントの囚人”は、17世紀の民謡で、歌詞も異なるものがありますが、共通するストーリーは、以下のとおりです。
・・・ナントの牢屋に、1人の囚人がいました。
誰も彼に会いに来ず、牢番の娘だけが会いに来ました。
ある日、囚人が俺の噂を言っとくれと聞きました。
娘は、町ではあなたのことを、絞首刑と言っていると答えます。
囚人は、俺が絞首刑になるなら、
この足の縄を解いてくれと頼み、娘は、囚人の足を解きます。
若者は、ロワール川に飛び込み、
岸にたどりつくと、すぐ歌い始めました。
俺の歌は美しい娘たちのため、とくに牢番の娘、俺がナントへ戻ったら、
彼女と結婚しようと。
NANAは、軽快なテンポに乗って、古い民謡に新たな息吹きを与えてくれます。その歌声は、誰が聴いても親しみやすく、大いに楽しめると同時に、素朴な民謡の精神を失わず、いにしえの良き時代の香りを感じさせるものとなっております。