NANA MOUSKOURI “愛の歓び”
写真上は、アルバム・タイトル≪ある愛の詩/オーバー・アンド・オーバー≫ (FONTANA BEST-9 1973)THE BEST OF NANA MOUSKOURI のLP表面で、写真下はその裏面です。このLPは、ベスト・コレクション・シリーズの一環として、ナナ・ムスクーリを特集したもので、当時の彼女のヒット曲が収められております。
今回は、本LPに収められている“愛の歓び PLAISIR D’AMOUR”について紹介致します。この曲は、世界的に名高い名曲で、ドイツに生まれフランスに帰化してパリで亡くなったジャン・ポール・マルティーニ(1741~1816)が、詩人ジャン・ピエール・クラリスの詩に1784年に作曲した作品で、『愛の歓びは束の間なのに、愛の悲しみは永久に消えない・・・。』と、愛のはかなさをテーマにした歌が唄われております。
美しいメロディーと歌詞のテーマの魅力により、世界中のアーティスト達によってカバーされております。歌手によっては別の歌詞でも歌われており、エルヴィス・プレスリーの1961年のヒット曲『好きにならずにいられない』もその一つです。
愛の歓び PLAISIR D’AMOUR
愛の歓びは一瞬しか続きません
愛の苦しみは一生続きます
貴方は美しいシルヴィーのために私と別れてしまいました
シルヴィーも新しい恋人のために貴方と別れてしまいました
愛の歓びは一瞬しか続きません
愛の苦しみは一生続きます
この水の流れが静かに流れ続ける限り
この小川が野原に沿って流れ続ける限り
私は貴方を愛し続け あなたはシルヴィーのことを忘れません
水は流れ流れて
シルヴィーもすでに変わってしまいましたけれども・・・・
愛の歓びは一瞬しか続きません
愛の苦しみは一生続きます
曲のタイトルからは、愛すること・愛されることの歓びを唄った歌と想像してしまいますが、メロディーや歌詞を見ると愛のはかなさが唄われた悲しい歌でした。NANAは、愛のはかなさをしみじみと唄い上げていきます。アラン・ゴラゲールの編曲・伴奏による、リリックな名唱が光る一曲です。