NANA MOUSKOURI “ロマンス(禁じられた遊び)”
写真上は、アルバム・タイトル≪ナナ・ムスクーリ 愛のパスポート≫(PHILIPS FDX-452 1979)のLP表面で、写真下はLP裏面です。このLPには、エーゲ海のミューズである彼女がギリシャを降り出しに歌う世界の名曲が収められています。今回は、本LPに収められている≪ロマンス(禁じられた遊び)≫について紹介致します。
≪ロマンス(禁じられた遊び)≫
≪ロマンス(禁じられた遊び)≫の起源については諸説ありますが、もともとは「読み人知らずのロマンセ」と呼ばれていたスペイン民謡(愛のロマンス)で、かつてのギタリストであるビセンテ・ゴメスが採譜・編曲し、1941年の映画「血と砂」で使い、1952年のフランスの反戦映画「禁じられた遊び」の主題歌としてナルシソ・イエペスのギター演奏がスクリーンで流れ、一躍ポピュラーになりました。器楽曲として多くのアーティストがギター演奏をしていますが、歌として唄われることは非常に珍しいことです。NANAは、作詞家セルジュ・ラマによるフランス語歌詞で唄っております。
ロマンス(禁じられた遊び)LE SOUVENIR
思い出は 子守歌のように
古い歳月の 金の糸を結ぶ
寒さ暑さも 気にかけず
疲れた心で さまよっていた頃の
私の内では思い出は その織物を紡ぐ
陽の光は赤く 木々は緑濃い
すべては同じ けれど私の内にある鎖は
古い冬に 私を繋ぎ止めている
思い出は はかない織物
金の星を 私はそこに縫いつける
いく夜いく日 探し求めてあの島を
幼い頃が 港を開いて待つ島を
思い出には 物言わぬページがある
時々それは 私のために口を閉ざしてくれる
私の頭のなかでは ハンケチの様に
昔の夢のかけらが はためいている
時計の文字盤に 記された私の未来
金の文字を示して 喜びを盗んでゆく
戸外に私の暮らしは無く 出会う人々は
その訳を 次第にしつこく聞きたがる
深味のある華麗な歌声がみずみずしい魅力となり、NANAにピッタリの唄の仕上がりとなっております。あの懐かしの旋律に乗って、NANAが優しく貴方に語りかけてくれます。貴方だけのロマンスを・・・・・・。