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NANA MOUSKOURI “そよ風のバラード”

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NANA MOUSKOURI “そよ風のバラード”

写真上は、アルバム・タイトルNana’s Book of Songs≫(FONTANA 9299 227 1974 ENGLAND)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。NANAは、1974年にイギリスに渡り、BBCのテレビ・シリーズを録音しました。このLPは、その仕事が終わったのち、イヴォンヌ・リトルウッドの提案により、英国で製作されました。LPの収録後、NANA『スタッフの全員の方々に、愛と感謝を込め、記念にこのアルバムを献呈したいと思います。』と述べています。(以前に当ブログにて紹介しましたが、日本にても同じアルバムの邦盤LPが、FONTANAよりSFX-6036として1974年に発売されました。)

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そよ風のバラード

今回は、本LPに収められている≪そよ風のバラード≫を紹介致します。この曲の原曲は、シャンソン界の大御所ジャック・ブレルによる1961年の作品です。原題は「瀕死の人」といった意味で、アメリカの詩人ロッド・マッケンが英語歌詞を書き、1974年にカナダ出身のテリー・ジャックスが歌って、全米ヒット・パレードを飾りました。

NANAも英語歌詞で、≪死にゆく人が、幸せだった人生を回想して、父や友人に別れを告げる・・≫といった内容の、しみじみとしたバラードを唄います。

そよ風のバラード SEASONS IN THE SUN

さようなら 私の信じていた友よ
私達は9才か10才頃からの幼なじみ
一緒になって丘や木をよじ登り
愛や A.B.Cを学んだ二人
心を傷つけあい ひざをすりむいたりした二人
さようなら私の友 死んでしまうのはとてもつらい!
すべての鳥が空で歌う時
そう それは春の盛り
いたる所に かわいい少女
私のことを思い出して 私はそこにいるでしょ

楽しく愉快だった私達
太陽の季節にいた私達
けれど私達が登る丘は
もう季節はずれ

さようならパパ 私のために祈って
家族の黒い子羊だった私
私に善悪を教えようとしたパパ
お酒の飲み過ぎと歌いすぎ
私がどんな風だったか想像して
さようならパパ 死んでしまうのはとてもつらい!
すべての鳥が空で歌う時
そう それは春の盛り
いたる所に 小さな子供達
彼等を見たら 私もそこにいるでしょ

楽しく愉快だった私達
太陽の季節にいた私達
けれどワインも歌も
すべておしまい まるで季節のように

さようならミッシェル 私の可愛い人
貴方は私に愛を与え
一緒になって太陽を探してくれ
そして人生で 私がつまずいた時は
いつもそばにやって来て
私をもと通りに立ち直らせてくれた貴方
さようならミッシェル 死んでしまうのはとてもつらい!
すべての鳥が空で歌う時
そう それは春の盛り
いたる所にある花達と一緒に
二人でそこにおれたらと望む私

楽しかった私達の人生
太陽の季節にいた私達
けれど私達の手の届きそうだった星々は
もう今では 海辺のヒトデ・・・

邦題タイトルからは“さわやか”な曲のイメージを受けますが、歌詞は深刻な内容を持っております。NANAは、この曲をたんたんと唄いながら、何とも言えない切なさをにじませながら唄っていきます。