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NANA MOUSKOURI “庭の千草”

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NANA MOUSKOURI “庭の千草”

写真は、アルバム・タイトル≪LE DISQUE D’OR DE NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6312 028 1976? FRANCE)の洋盤LPの表面です。本LPは、NANAが世界各国で総計35枚のゴールド・ディスクを受賞したことを記念して、フランス・フィリップス社が、彼女のレパートリーから12曲を選出し、フランス語歌詞をつけて制作されたLPです。日本では、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリゴールド・ディスクPHILIPS FDX-244 1976)として発売されました。(以前に、当ブログにて紹介いたしました。)

庭の千草

今回は、本LPに収められている≪庭の千草≫を紹介いたします。≪庭の千草≫は、アイルランドの詩人トマス・ムーアが作詞した曲で、≪夏の名残りのバラ≫の名でも知られています。日本では、1884年に文部省が小学唱歌として採り入れてから、アイルランド民謡として合唱コンクールなどで数多く歌われてきたナンバーです、日本では“バラ”の代わりに“白菊”が唄われ親しまれて来ました。(下記日本語歌詞参照)秋の気配の忍び寄る庭に咲いた遅咲きのバラの花には、何となくものの哀れが感じられます。そこはかとない淋しさの漂う、美しい名曲です。ナナは、エディ・マルネェのフランス語歌詞で唄います。

庭の千草 LA DERNIERE ROSE DE L’ETE (フランス語歌詞)
もし明日 貴方がバラを摘み
その芯が枯れてしまっていたら
そう それは間違いなく
夏の最後のバラ
昨日はまだ近所で
庭いっぱいに咲いていたのに
一枝しか残っていない
それも明日になれば 冬枯れするでしょう
愛では すべてのことと同じように
愛では 友情と同じように

もし貴方の心が バラを一本見つけたら
このバラこそ 大切にして欲しい
もしそれが 貴方にとって
初めてのバラであっても
最後のものと言えるのだから
そして 人生にはたった一度の夏しかないのだから
庭の千草 詩;里見 義 (日本語歌詞)
庭の千草も 虫の音も
枯れて寂しくなりにけり
ああ白菊 ああ白菊
一人遅れて咲きにけり


露もたわむや 菊の花
霜におごるや 菊の花
ああ 哀れ哀れ ああ 白菊
人のみさおも かくてこそ

NANAノスタルジアを内に秘めた美しい歌声を聴くと、人それぞれに、子供の頃の出来事や青春時代の想い出を懐かしむことが出来ます。