NANA MOUSKOURI “スカボロー・フェア”
写真上は、アルバム・タイトル≪Over & Over NANA MOUSKOURI≫(FONTANA STL5511 885 551 MY 1969)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面でジ・アテニアンズとの録音現場でのスナップ写真が掲載されています。本LPは1969年の録音ですが、当時彼女はカーネギー・ホールでのリサイタルが大成功を収め、オランピア劇場にも登場して、名実共に充実した時期にありました。このLPは、選曲もすぐれ、演唱も感銘深い名盤と言えます。日本でも、同様のLPがアルバム・タイトル≪OVER & OVER/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA SFX-7354 1971?)として発売されました。(以前に、当ブログにて紹介いたしました。)
今回は、本LPに収められている≪スカボロー・フェア≫を紹介致します。
『スカボロー・フェア』について
“スカボロー・フェア”は、サイモンとガーファンクルのビック・ヒット・ナンバーとして良く知られた名曲ですが、もともとはスコットランドの民謡でした。1966年にアレンジ・ヴァージョンとして発表された作品で、1967年の映画≪卒業≫の主題曲の一つとして使われ、翌年リバイバル・ヒットしました。
スカボローは、中世の英国北東部ヨークシャー地方の北海沿岸の重要な交易拠点であり、そこでは8月から9月にかけて長期間の市が盛大に開かれていました。これがタイトル名となっているSCARBOROUGH FAIR(スカボローの市)である。
『スカボロー・フェアに行くのなら、そこに住んでいる人に伝えて欲しいの。私を忘れないで・・・。彼は昔、私の本当の恋人だったの・・・。』と愛しい人に愛の想いを伝えたい。
ナナはサイモンとガーファンクルの曲が大好きだそうです。この曲も、その想いが込められており、味わいの深い素朴な演唱を聞かせます。
スカボロー・フェア SCARBOROUGH FAIR /CANTICLE
スカボロー・フェアに行くところなの?
パセリ セージ ローズマリーとタイム ※
あそこに居る人のことを思い出すわ
昔 彼は私の本当の恋人だったわ
私のために 麻のシャツを作ってくれるよう
彼に伝えてちょうだい
パセリ セージ ローズマリーとタイム ※
縫い目も無く 針も使わないなら
彼は 私の本当の恋人になれるわ
私達のために 1エイカーの土地を見付けてくれるよう
彼に伝えてちょうだい
パセリ セージ ローズマリーとタイム ※
塩の水と 海辺の浜の間に土地を見付けてくれたら
彼は 私の本当の恋人になれるわ
皮の釜で 刈り取ってくれるよう
彼に伝えてちょうだい
パセリ セージ ローズマリーとタイム ※
それをみんな束に集めてくれれば
彼は 私の本当の恋人になれるわ
スカボロー・フェアに行くところなの?
パセリ セージ ローズマリーとタイム ※
あそこに居る人のことを思い出すわ
昔 彼は私の本当の恋人だったわ
※去って行った恋人が、果たすことが出来ない事柄を、4種のハーブが秘めている象徴をもって事を成し遂げれば、真の恋人に戻ろうというメッセージ。
★パセリ:消化の促進、苦みの除去 ★セージ:忍耐、耐久力
★ローズマリー:貞節、愛、思い出 ★タイム:勇気
ナナは、静かで豊かな自然を感じさせるメロディに乗って、原野を吹き抜ける風の様なさわやかなヴォーカルを奏でます。伴奏はクリスチャン・シュヴァリエの楽団です