NANA MOUSKOURI “祈り”
写真は、アルバム・タイトル≪愛のひととき/ナナ・ムスクーリ≫(PHILIPS 28PP-8 1980)の邦盤LPの表面です。このLPは、有名曲とオリジナル曲がバランス良く配置され、ナナの清楚な唄声により、ひとときの幸せを味わって頂けるアルバムに仕上がっております。アルバムの紹介帯には、<透明感溢れる歌声に、美しい旋律が輝きをます。エーゲ海のコバルト・ブルー、アテネの白いバラ、美しい風景がここちよいそよ風とともにやってくる。>と記されています。
祈り
今回は、本LPに収められている≪祈り≫を紹介致します。この曲の原曲はグルジア民謡ですが、伝承曲のメロディにグリジアの詩人アカキ・ツェレテリが作詞した≪スリコ≫の歌で知られています。この歌は、今は亡き兵士スリコをしのぶ恋人の歌でしたが、日本で親しまれている歌では、死んだのは女性の方になっています。この歌が、クロード・ルメールとピエール・ドラノエによるフランス語歌詞により、世界のため・人類のための祈りの歌に生まれ変わりました。ほのぼのとしたメロディに乗ってナナが祈ります。世界に向けて、心を込めて・・・・。
祈り PRIERE
世界のための祈り
人類のためのクレド
暗闇から出て来た子供達
突然 そのまま歌い出す
世界のための祈り
人類のためのクレド
川のための愛の歌
小さなせせらぎのため
森や空地のため
小鳥達の歌と溶け合う愛の歌
大地のための祈り
そこに住む人々のためのクレド
長い讃美歌が
銀河のかなたへ飛んで行き
無限の宇宙に
言葉を描く
祈りは突拍子もないものかも
愛し笑う人達にとっては
(ハミング)
鳩のための祈り
鷹や狼から逃れ
平和に長生きするように
そして私達を守ってくれるように
世界のための祈り
たとえそんなに祈らなくても・・・・・
※クレド(使徒信条);キリスト教における、使徒から伝えられたと信じられている信仰告白のこと。
宗教的な雰囲気を持つ曲の数々は、ナナのすがすがしい唄声にピッタリですが、これほど唄にフイットする曲も少ないと思われます。