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NANA MOUSKOURI “ある朝はやく”

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NANA MOUSKOURI “ある朝はやく”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/SONGS OF THE BRITISH ISLES≫PHILIPS 9101 024 1976 ENGLAND)の洋盤LPの裏面です。このLPは、イギリス民謡の名唱集で、自然の美をイギリス各地の田園(ウェーズル、イングランドアイルランドスコットランド)に求めて、各地の代表的な民謡が収められています。日本では、同様の邦盤LPが、ナナ・ムスクーリ/イギリス民謡名唱集≫PHILIPS FDX-228 1976)として発売されています。

ある朝はやく

今回は、本LPに収められている≪ある朝はやく≫を紹介致します。この歌は、古いイングランド民謡(トラディショナル・ソング)で、原曲は18世紀にさかのぼる民謡《THE LAMENTING MAID(嘆き悲しむ乙女)》と言われておりますが諸説あります。ポピュラーなメロディーとは裏腹に、恋人に置き去りにされそうな乙女が切なく唄う失恋の歌です。ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮の伴奏に乗って、乙女の想いを唄います。

日本では、1961年にNHK「みんなのうた」で、『走れ並木を』というタイトルで歌われ、ポプラ並木を車輪が軽やかに駆けぬけていくという行進曲調の歌となっております。

ある朝はやく EARLY ONE MORNING  対訳;ドロシー・ブリトン

ある朝はやく 日の昇る頃
谷で歌う乙女の声を聞いた
「だまさないで ああ捨てないで
哀れな乙女をなぜ このようにあしらうの?」


正直にした約束を 思い出して
優しく抱きついたことも思い出して
この綺麗な花輪 みずみずしいバラ
君を飾ろうと庭で摘んだのよ


一人でさまよい どうかしらと思う
なぜ悲しくなるように 私を捨てたの?
バラに尋ねたい なぜ見捨てられたのかしら?
何故ここで悲しまなければならないの?


小川の流れる あそこの林で
二人楽しく遊んだのに
キスしたり 素直に戯れたり
君は私の焦心の心をだましたの


他の可愛い乙女に会って
しばらく求愛をするでしょう
浮気ばかり 変わったり 変えたり
いつも新しい女を探したり


哀れな乙女が 嘆き歌った
下の谷間でこう歌った
「だまさないで ああ捨てないで
哀れな乙女をなぜ このようにあしらうの?」

ナナは、乙女の嘆き悲しむ切ない失恋の想いを、優しいメロディー・ラインに乗ってさりげなく唄います。イングランドの原風景が、男女の恋愛事情を通して見えて来るような歌です。