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NANA MOUSKOURI “小さなバラ”

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NANA MOUSKOURI “小さなバラ”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “ALLELUIA”≫(PHILIPS 9101 159 1977 FRANCE)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。このアルバムには、ナナの本領を発揮したギリシャの曲をはじめ、シャンソン歌手であるセルジュ・ラマとデュエットした《ハバネラ》を収めた力作となっております。日本では、同様の邦盤LPが、≪愛のハレルヤ/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-345 1978)として発売されています。

小さなバラ

今回は、本LPに収められている≪小さなバラ≫を紹介致します。この歌は、フランスの作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優であったセルジュ・ゲンスブール作詞作曲の作品です。1958年のデビュー以来、反体制的な作風で人気を博し、1960年代後半から1970年代にかけてフランスのポピュラー音楽界において中心的な役割を果たしました。アイロニーに富んだ歌詞ですが、<開いたらすぐに摘み取られる可哀そうな小さなバラ。私は、この小さなバラのために、バラを彫ってもらいました。匂わないバラを・・・・。>小さなバラの彫り物に託した作者の想いは、・・・・・・・?

小さなバラ LA PETITE ROSE

小さなバラのために
私はバラを 彫ってもらいました
これらのバラを
控え目なミケランジェロの手で・・・
この手は 天使達のために
匂わないバラを 創り上げます


小さなバラのために
巨匠のノミは
不思議な花びらを
一つ一つ削り
気取って並ぶ
毬のようなつぼみたち


バラのバラ色の上に
少しずつ
悲しみの露が置かれ
自然が代わって
涙と混じり合う
朝の露


可哀そうな小さなバラ
開いたと思ったらすぐに
運命の手で摘み取られ
交換に何かもらったの?
天使達と一緒に居る?
それとも もぬけのカラ?


小さなバラのために
私は バラを彫ってもらいました
これらのバラを
控え目なミケランジェロの手で・・・
この手は 天使達のために
匂わないバラを 創り上げます

ナナは、アラン・ゴラゲール指揮のムーディな伴奏に乗って、セルジュの内省的で観念的な作風の歌を、独自の感性で淡々と語り掛けていきます。