NANA MOUSKOURI “プレリュード”
写真上は、アルバム・タイトル≪BRITISH CONCERT≫(FONTANA 6651 003 1972 HOLLAND)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。本コンサートでの実況録音のデータが揃っていないため詳細は不明ですが、イギリスのニュー・キャッスル、シェフィールド、ポーツマスでのコンサートの模様が収録されております。ナナのイギリスにおける人気の程が、会場一杯の拍手喝采に現れております。日本にては、同様な邦盤LPが、≪BRITISH CONCERT≫(FONTANA SFL-9108~9 1972)として発売されています。
プレリュード
今回は、本LPに収められている≪プレリュード≫を紹介致します。この曲は、クインシー・ジョーンズらのバック・ヴォーカリストとして活躍していたバーバラ・マッセイ(Barbara Massey)と、ギタリストであったアーニー・カラブリア(Ernie Calabria)の共作になる作品で、《乙女の愛への予感を感じさせる前奏曲》が淡々と綴られております。ナナは、原曲である英語歌詞のほか、エディ・マーネイ(E.Marnay)によるフランス語歌詞(仏題;L’etranger)にても唄っております。
プレリュード PRELUDE
柳を吹き抜ける風の 心地よいハミングとその優しい歌
夜明けの囁きのような その肌触り
私の心を素直にするのは 草の葉なのかしら
それは自然なことなのかしら
朝の光りを全身にいっぱい浴びて
朝の始まり こんなにあたりが新鮮なの
私の顔にふりかかる 静かな光と空気
目を閉じ 一日の始まりの音に耳をそばだてるの
私の周りに 暖かい愛の息吹
私を愛撫する 優しいそよ風のため息
光り輝く空
さらさら流れる小川のせせらぎ
下を見る私
私の中には愛の誕生
誰かを愛したいという心持ち
こうこうと輝く月
満ちたりて 夜の涼しさに抱かれて 眠るわ
私には分かるの 私を待っていることが
恋人が腕を一杯広げて
明日に続く 希望がわくの
心の望むものが分かるから
夜明けまで目を閉じて
夜明けまで
ナナは、ジ・アテニアンズの哀愁漂うギター演奏とコーラスをバックに、愛のプレリュード(前奏曲)を優しく語り掛けます。初期の頃の若い唄声が、快く楽しいナンバーです。