Sound Gallery ブログ

吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “恋の園の佳人”

f:id:soundgallery:20200506155812j:plain

NANA MOUSKOURI “恋の園の佳人”

写真上は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI“NOUVELLES CHANSONS DE LA VIEILLE FRANCE”≫(PHILIPS 9101 213 1978 FRANCE)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。ナナはフランス民謡を数多く取り上げて唄っておりますが、本LPも素晴らしい選曲によるフランス民謡集に仕上がっています。日本にては、同様のLPが≪恋人たちの詩集~美しきフランス~≫PHILIPS FDX-530 1978)として発売されています。

f:id:soundgallery:20200506155931j:plain

恋の園の佳人

今回は、本LPに収められている≪恋の園の佳人≫を紹介致します。この曲は、フランス北部のかつてのピカルディ地方(現在はノール=パ・ド・カレー=ピカルディ地域圏)に伝わるトラディショナル・ソングで、採譜・編曲はジョン・サケルです。この民謡は、17世紀の終わり頃から18世紀にかけて生まれたとされており、《恋の園に居るという佳人(美しい娘)》の清純な恋の物語が綴られております。ナナは、現代風のスタイルで、心にしみわたるように丁寧に唄います。

恋の園の佳人 LA BELLE EST AU JARDIN D’AMOUR 対訳;鳥取絹子

美しい娘が 恋の園
美しい娘が 恋の園
もう1カ月 それとも6週間?
父親はいたる所に 娘を探し
恋人は 悲嘆にくれている・・・・・


羊飼い 羊飼い
お前は見なかったかい?
美しい娘の姿を・・・・
娘さんの服装は?
絹ですか 羊毛ですか?


彼女の服は 白いサテン
彼女の服は 白いサテン
手には 白いミトンをはめ
風になびく ブロンド髪が
甘い香りを放っていた


その娘なら 谷の中
その娘なら 谷の中
泉のそばに 座っている
両手につかんだ 小鳥に
その悲しみを歌っている


小鳥よ 小鳥よ
お前はなんて幸せ者
彼女のそんなに近くにいるなんて
僕は彼女の恋人なのに
近づくことが出来ないとは・・・・・

ミトン;指を入れる部分が親指だけが分かれて、他の指は一つに纏められている手袋。

ナナは、アラン・ゴラゲール指揮のロマンチックな伴奏に乗って、《美しい娘》にまつわる恋の物語をゆっくりと静かに唄います。