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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “まわり道”

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NANA MOUSKOURI “まわり道”

写真上は、アルバム・タイトル≪QUE JE SOIS UN ANGE≫(PHILIPS 9101 007 1974 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下はLP見開きのスナップ写真です。このLPは、フランス語歌詞を中心に、オリジナル・ナンバーのほか、国際色豊かなイギリス、アメリカ、ドイツ等の曲を取り上げ、親しみやすい演唱を繰り広げています。日本では同様の邦盤LPが、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ/夢がある限り≫(FONTANA FDX-133 1975)として発売されています。

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まわり道

今回は、本LPに収められている≪まわり道≫を紹介致します。この曲は、ギリシャの作家であり詩人でもあるゲオルギオス・ドロシニス(Georgios Drosinis)作のギリシャの歌にクロード・ルメールがフランス語歌詞を書いたものです。年齢的にも円熟期のさなかにあるナナが、〈人は目的のところへは、なかなか行けないもの。まわり道をしながらしか行けないけないものなの・・・。〉と情感豊かに綴っていきます。

まわり道 LE CHEMIN DES ECOLIERS

人が10才か15才の頃は
何もかもが美しく 可笑しいもの
みんな王子様であろうと 乞食であろうと
王様達であろうと 問題じゃないのです


そして それから時がたち
一つずつ
私達のお城は 崩れ落ちていくのです
まわり道をしながら


人は目的のところへは
なかなか行けないもの
まわり道をしながら


歌いたくなるような明日があり
かと思うと
失意の仲間達がいるのです
私達の足跡
紙で作られた花々があり
クリスマスツリーがあると
皆それを根こそぎ取りに行くのです
まわり道をしながら


人は目的のところへは
なかなか行けないもの
まわり道をしながら


貴方はランボーのようになりたいと思っていました
貴方はグレタ
貴方はカルボのようになりたいと思っていました
貴方はもう忘れられているのです
そして 貴方は乾杯する時に
貴方の名前を残したいと思っていました
まわり道をしながら


人は目的のところへは
なかなか行けないもの
まわり道をしながら・・・・

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮による哀愁漂う伴奏に乗って、しっとりとした唄声で人生の<まわり道>を唄います。