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NANA MOUSKOURI “ああ、哀れ、哀れ”

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NANA MOUSKOURI “ああ、哀れ、哀れ”

写真は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ・イギリス民謡名唱集≫(PHILIPS FDX-228 1976 )の邦盤LPの表面です。このLPは、イギリス民謡の名唱集で、自然の美をイギリス各地の田園(ウェールズイングランドアイルランドスコットランド)に求めて、各地の田園の代表的な民謡が収められています。

ああ、哀れ、哀れ

今回は、本LPに収められている≪ああ、哀れ、哀れ≫を紹介致します。この曲は、イングランドの南西サマセット州に伝わる古い民謡で、1900年頃、有名な民謡収集家のセシル・シャープにより採譜された曲とされている。原題の≪O WALY WALY≫はスコッツ語で《ああ、悲しい、悲しい》という意味であるが、スコットランド民謡の≪O WALY WALY≫とは、別の歌と言われている。また、イングランド民謡の≪広い河の岸辺≫(THE WATER IS WIDE)の原題は≪O WALY WALY≫で、ナナが唄う≪O WALY OWLY≫とは歌が類似している箇所もあり、同じ素材の民謡と思われるが、詳細は不明である。ナナは、<愛してくれない人を恋してしまった思いや悲しみ>を、切々と綴って唄います。

ああ、哀れ、哀れ O WALY WALY 対訳;ドロシー・ブリトン

この間 草原で
素敵な派手な花を摘んで
赤や青の花 摘んでた時
恋は こんなものだと思わなかった


樫の木に 背をもたせかけ
頼りになる木だと 思ってたが
曲がって そして折れちゃった
頼りにならない 恋人さ


何故 私が縛られ 彼が自由?
何故 愛してくれない人に惚れたのか?
何故 子供の様にこの私が
悲嘆に暮れさせる人を 愛したのか?


海を行く舟は
荷を 一杯積んでいる
恋で我が胸が もっと一杯
溺れてしまっても 構わない


恋は楽しい 恋は立派なもの
真の恋は 美しい
古くなると 冷たくなり
朝露のように 消えてしまう

アラン・ゴラゲールの編曲・指揮による美しいメロディに乗って、ナナの美声がたっぷりと恋の悲しみの詩情を唄い上げていきます。