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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “冬の夜の唄”

NANA MOUSKOURI “冬の夜の唄”

写真上は、アルバム・タイトル≪OVER & OVER/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA STL5511 1969)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このアルバムには、1960年代のナナのヒット・ナンバーが収められております。各国のフォーク・ソングを中心として優れた曲が選曲されており、聞く人の心に何かを訴えかけてくれるアルバムとなっております。日本にては、同様の邦盤LPが、≪オーバー・アンド・オーバー/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-7354 1974)として発売されています。

冬の夜の唄

今回は、本LPに収められている≪冬の夜の唄≫を紹介致します。この曲は、カナダのシンガーソングライター兼ギタリストであるゴードン・ライトフットが作詞・作曲したカントリー・スタイルの佳曲です。彼はカナダで最も偉大なソングライターと呼ばれており、彼の曲は世界で最も著名な音楽アーティストによって録音されています。ナナは、<この冬の夜にあなたと一緒にいられたら>と、<恋人と孤独>について時代を超えて語り掛けていきます。

冬の夜の唄 SONG FOR A WINTER’S NIGHT

テーブルの上でランプが弱く燃えている
雪がしんしんと降っている
部屋の静寂の中にいる
そっと呼ぶあなたの声が聞こえる


あなたがそばにいられたら
ため息を一つ二つ吐くだけでも
愛する手を繋いでいるだけで幸せだよ
この冬の夜に君と一緒に


頭上の影に煙が立ち上がっている
私のグラスはもうすぐ空になる
ページの行間をもう一度読み返す
あなたが送ってくれた愛の言葉


心の中で知ることが出来たら
あなたも寂しかったことを
大好きな手を繋いでいるだけで幸せだ
この冬の夜にあなたと


(もう一度あなたと一緒に)
この冬の夜にあなたと
(もう一度あなたと一緒に)
この冬の夜にあなたと

ナナは、ジ・アテニアンズによる快いメロディー・ラインに乗って、心暖まる演唱を繰り広げてやさしく語り聞かせます。

NANA MOUSKOURI “マラゲーニャ”

NANA MOUSKOURI “マラゲーニャ”

写真は、アルバム・タイトル≪ある恋の物語~ラテンの心を唄う/ナナ・ムスクーリ(PHILIPS PHCA-115 1991)の邦盤CDの表面です。このアルバムは、ラテンのスタンダード・ナンバー集で、お馴染みの名曲にフレッシュなアレンジが施されており、ラテン・ヴォーカルの醍醐味を余すところなく味わうことが出来ます。ナナの情熱を込めてメロディアスに唄い上げる歌声は、ラテン・ナンバーにピッタリで、異国の街を爽やかに流れる風そのものです。

マラゲーニャ

今回は、本CDに収められている≪マラゲーニャ≫を紹介します。この曲は、キューバのエルネスト・レクォーナの作品です。彼は1928年に、全6曲よりなるスペイン組曲<アンダルシア>を発表、これはその第6曲に置かれていました。原題は、スペインの町マラガに伝わる音楽形式の一種で、<マラガ娘>という意味もあり、マラガ舞曲の形を借りてマラガ娘をたたえたものです。似たような原曲名に≪ラ・マラゲーニャMALAGUENA SALEROSA≫という曲がありますが、こちらはメキシコ民謡の曲で、以前に当ブログにて紹介しております。

マラゲーニャ MALAGUENA 対訳:永田文夫

恋が私をあなたの方へ連れてゆく
激しい力で押しやって・・・
あなたの愛もなく生きるより
むしろ死んだほうがましだ
あなたの愛の気まぐれが
この私の中の喜びを殺してしまった
今や私の歌も苦しみとなる


黒い瞳のマラゲーニャ
私の夢のマラゲーニャ
私は苦しくて死にそうだ
あなたの愛ゆえに
ラララララララララ・・・・・


黒い瞳のマラゲーニャ
私の夢のマラゲーニャ
愛してくれなければ死んでしまう
アアアアアアアアア・・・・・
ラララララララララ・・・・・


私はあなたにキッスしたい
アアアアアアアアア・・・・・

ナナは、ラテンの軽快で麗しいメロディー・ラインに乗り、<マラガ娘>への愛をたたえて、張り切った唄声で聞かせます。

 

NANA MOUSKOURI “私たちの家”

NANA MOUSKOURI “私たちの家”

写真上は、アルバム・タイトル≪アマポーラ~恋のアリア/ナナ・ムスクーリ(PHILIPS 28-PP135 1986)の邦盤LPの表面で、写真下はその裏面です。LPの紹介帯には、<素晴らしいサウンドでナナの声が響き渡る。地中海の美しさと、スペインの香りに満ちたヨーロッパ・サウンドの決定版。>と紹介されています。全曲がスペイン語で唄われており、ナナのスペイン語により曲に豊かな情感が与えられ、快い雰囲気と感銘を与える仕上がりのLPとなっております。LP発売と同時にCD化もされています。

私たちの家

今回は、本LPに収められている≪私たちの家≫を紹介致します。この曲は、カナダのシンガーソングライターであるジャン=ピエール・フェルランの作品である≪プレイス・イン・マイ・ハート≫のスペイン語ヴァージョンです。スペイン語の歌詞は、S.Martiが書きました。〈あなた、早く私達の家に戻って来て。〉と、あなたを待ち望む願いが綴られており、ナナのつややかな唄声にピッタリの佳曲となっております。
英語歌詞の(A PLACE IN MY HEART)は、以前に当ブログにて紹介しております。

私たちの家 NUESTRO HOGAR

雪が降り続いている
庭は真っ白に覆われ
寒い夜が
私を包み込む


呪われた忌まわしい冬は
太陽を見させてくれない
憎しみの風が
あなたの温もりを奪った


早く戻ってきて
私達の家に戻ってきて
私の孤独の冷たい空洞を
埋めて下さい


早く戻ってきて
私達の家に戻ってきて
そしてあなたがこの消えた火に
火をつけて下さい


私の目はもう見えません
海は緑か青か
あまりにも苦しみのせい
長くて残酷な運命の忘恩のせい


でもこのすべてのなかで
私の心は私に向って叫んでいる
この厳しい冬が終わりますように
私達の愛への道を開くでしょう


早く戻ってきて
私達の家に戻ってきて
私の孤独の冷たい空洞を
埋めて下さい


早く戻ってきて
私達の家に戻ってきて
そしてあなたがこの消えた火に
火をつけて下さい


あなたの不在は
私に不安の苦い味を感じさせます
でも出ていく時が来た
暗闇から光へ


ラララ・・・・・


早く戻ってきて
私達の家に戻ってきて
そして二度と私を一人にしないで下さい
もう私を一人にしないで下さい

ナナは、スペインの香り漂うヨーロッパ・サウンドに乗って、<あなたへの愛の想いを>切々と唄い上げていきます。

NANA MOUSKOURI “老水夫の願い”

NANA MOUSKOURI “老水夫の願い”

写真上は、アルバム・タイトル≪私のアテネナナ・ムスクーリ(PHILIPS 28PP-5002 1984)の邦盤LPの表面です。写真下はLP見開きのスナップ写真です。このLPは、曲目の全てがギリシャ語で唄われているギリシャの曲であり、ギリシャが母国である彼女の歌の本質と醍醐味を、たっぷりと味合うことが出来るアルバムに仕上がっています。ベテラン歌手の域に達したナナが、初心に立ち戻って祖国の歌を取り上げました。

老水夫の願い

今回は、本LPに収められている≪老水夫の願い≫を紹介致します。この曲は、ナナの恩師であるギリシャの作曲家であるマノス・ハジダキスが作曲し、ギリシャの詩人であり作詞家であるイアコヴォス・カンバネリスによる歌で、老水夫のかなわぬ願いが、白いカモメに託して綴られております。ナナは、ギリシャ的な詩情にあふれたこの一編を、エキゾティシズム漂うギリシャのメロディーに乗って唄います。

老水夫の願い NAFTI YERO-NAFTI

白いカモメが 夢をかなえて 
私の夢を持って飛んでお行き
銀の覆いを着けた
金のオール持つ白いカモメよ


水夫よ 老水夫よ
壊れかけのオールの着いた船は もう役に立たない
私のすべての喜びは あなたに捧げます
老水夫の船は役に立たない 幸運を祈る


水夫よ 老水夫よ
壊れかけのオールの着いた船は もう役に立たない
私のすべての喜びは あなたに捧げます
老水夫の船は役に立たない 幸運を祈る

ナナは、ギリシャ色が満載なメロディー・ラインに乗って、老水夫の切ない想いを<あなた>に語り掛けていきます。

NANA MOUSKOURI “サンズ・オブ”

NANA MOUSKOURI “サンズ・オブ”

写真上は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/A PLACE IN MY HEART≫(PHILIPS 6312 022 1972 KOREA)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。ナナは、このLPでシャンソンギリシャのポピュラー・ソング、それにアメリカのヒット・ソングやニュー・フォークなどを歌っており、そのどれもが素晴らしく、ナナの個性と実力がよく示されています。日本にては、同様の邦盤LPが、ある愛の詩ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-7437 1974)として発売されています。

サンズ・オブ(息子たち)

今回は、本LPに収められている≪サンズ・オブ(息子たち)≫を紹介致します。この曲は、シャンソン界の大物でベルギーのシンガー・ソングライターであるジャック・ブレルの作で、ジェラール・ジュアネストが作曲面で協力している。英語歌詞は、アメリカの作家であるエリック・ブラウの翻訳をもとにモート・シューマンが書きました。<泥棒の息子たちも聖者の息子たちもみんな同じなのだ。あなたの子供たちはみな、あなたの腕から逃げ出す。>といった内容の詩が綴られております。

サンズ・オブ SONS OF

泥棒の息子達 聖人の息子達
文句のない子供は誰だろう
偉大な者の息子か 無名の息子か
みんな君のような子供だった


同じ優しい甘い笑顔 同じ悲しい涙も
夜の叫び声 悪夢の恐怖
偉大な者の息子達 無名の息子達
皆 あなたと同じ子供達でした


ずっと昔のこと


だけど 大富豪の息子や農場の息子達は
あなたの腕から逃げ出す
黄金の野原を抜け 廃墟の野原を抜けて
子供達はみな あまりにも早く消え去ってしまう


人の壁にそびえ立つ波の中で
死に震える瀕死の鳥の中で
大富豪の息子や 農場の息子達
子供達は皆 あなたの腕から逃げ出す


砂の息子達 通り過ぎる息子達
子守唄の中で失った子供達
真実の愛の息子達 後悔の息子達
あなたが忘れることが出来ない彼等の息子達
道路を建設する者もいれば 詩を書く者もいる
戦争に行った人もいるし 帰ってこなかった人もいる
あなたの息子達の息子達が通りすぎていく
子守唄の中で私達が失った子供達


ずっと昔 ずっとずっと昔

ナナは、アラン・ゴラゲール伴奏編曲指揮による情感漂うメロディー・ラインに乗って、軽やかな演唱を繰り広げてやさしく語り聞かせます。