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NANA MOUSKOURI “囚われの島”

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NANA MOUSKOURI “囚われの島”

写真上は、アルバム・タイトル≪UNE VOIX≫(FONTANA 6325 320 1972 FRANCE)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。このアルバムをプロデュースしたアンドレ・シャペルは、LP裏面に『一人の女性の声が、歌というものを、これほど微妙なニュアンスで、感情を込めて表現出来る力を持っているとは、全くミステリーとしか言いようがない。・・・』とコメントしております。

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囚われの島

今回は、本LPに収められている≪囚われの島(捕われの島)≫を紹介致します。この曲は、G・カツァロス作曲のギリシャの歌。フランス語歌詞は、エディ・マルネが書きました。波に乗って流れ着いた瓶の中に、島の囚人からの手紙が入っている・・・という、幻想的な内容が、ジョルジュ・ペチラスとユセフ・アリエのギターをバックに、美しく唄われます。ギリシャの昔話のような世界ですが、ひとり二重唱や波の音が効果的に使用されています。

囚われの島  PRISONNIER DANS L’ILE

海の上を流れる瓶が一本
砂の床の羊皮紙が一枚
冬の或る日
子供時代の私の手の中にやって来た


私の手紙を読む 見知らぬ貴方
私の為に祈って 私の為に祈って
私の空には 格子戸がはまっている
水の音で眠る 私は島の囚人


古い四角な羊皮紙
古い昔の文字
それらは昔 地の下に隠されたもの
一人の人間によって 書かれたもの


私の手紙を読む 見知らぬ貴方
私の為に祈って 私の為に祈って
私の空には 格子戸がはまっている
水の音で眠る 私は島の囚人


彼は誰? ならず者
それとも 友達のいない詩人
自分の国を愛しすぎて
お偉方に挑戦する男だったのかしら


私の手紙を読む 見知らぬ貴方
私の為に祈って 私の為に祈って
私の空には 格子戸がはまっている
水の音で眠る 私は島の囚人

ナナの唄声は、華麗なギターの音色に乗って、しっとりとした情感に溢れ、この曲の奥に秘められた何ものかを感じさせてくれます。