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NANA MOUSKOURI “見知らぬ人”

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NANA MOUSKOURI “見知らぬ人”

写真上は、アルバム・タイトル≪DANS LE SOLEIL ET DANS LE VENT≫(FONTANA 6399 014 1969 FRANCE)の洋盤LP裏面のスナップ写真です。このLPは、全ての曲がフランス語歌詞で編集されており、メロディーが美しく優れた歌詞の歌が選曲されています。日本にては、同様の邦盤LPがNANA MOUSKOURI FIRST ALBAM≫PHILIPS SFX-7226)として発売されています。写真下は、洋盤EP(nana FONTANA 460 262 ME 1968 FRANCE)の表面で、ナナの初期の頃のヒット曲4曲が収められています。

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見知らぬ人

今回は、これらレコードに収められている≪見知らぬ人≫を紹介致します。この曲の原曲は、以前に当ブログにて紹介したバーバラ・マッセイとアーニー・カラブリアの共作による作品≪プレリュード PRELUDE≫です。≪見知らぬ人≫は、エディ・マーネイ(E.Marnay)によるフランス語歌詞によるバアージョンで、乙女の<見知らぬ人への想い>が淡々と綴られております。ナナは、原曲である英語歌詞にても<乙女の愛への予感を感じさせる前奏曲>を唄っております。

見知らぬ人 L’ETRANGER  対訳;蒲田耕二

朝日が麦畑を赤く染める頃 彼はやって来た
空に散るひばりの群れを先ぶれに
上衣を腕に抱え 額に汗を浮かべ
埃の立つ日照りの道を
風に吹かれてやって来た
神様お許し下さい 私には彼しか目に入らなかったわ
井戸の水を汲んで彼にあげた


私の手を盃にして 彼は両手に捧げ持った
ぬるんだ水を彼は飲み その顔がすぐ側にあった
私は尋ねたかった 貴方のお名前は?
彼は笑っただけ そして私に口づけをくれた
空が一輪の花のように咲き染めたわ
私の胸の中では 風が舞い立った
朝日さえも その色を変えたわ
昼と夜とを私はとり違えて
眠り込んでしまったの 彼の傍らに


孤独な目覚めを迎える私の傷ついたしとね
彼は今も このしとねを共にしてくれるかしら
いく星霜も経たのちに きっと彼は
私の家に向って道をたどるでしょう
何時か 朝日が赤く空を染める頃
彼は井戸の水を飲みにやって来るでしょう

しとね;寝たり座ったりする時の敷物の古風な呼称

ナナは、気心の知れたジ・アテニアンズの伴奏とコーラスをバックに、乙女の想いを優しく語り掛けます。初期の頃の若い唄声が、快く楽しいナンバーです。