NANA MOUSKOURIの“日曜日はダメよ”
1960年にギリシャで制作されたアメリカ映画の主題歌(英題:Never on Sunday)で、同年度のアカデミー主題歌賞を受賞した曲です。作詞・作曲は、NANAの恩人であるマノス・ハジダキスである。この曲でNANAはフランスでデビュー・ヒットを飾りました。
この映画の題名の意味については、映画の内容が判らないと理解出来ないと思われますので簡単に紹介させて頂きます。舞台はギリシャの港町ピレウス、主人公のイリアは港町の人気者で、彼女は自分の気に入ったお客しか取らない売れっ子の娼婦であり、イリアは月曜から土曜まではお客を取るが、日曜だけはお休みにして休業の札を吊るし、野外オペラを見に行くことにしていました。これが英語のタイトルになった「Never on Sunday(日曜日はダメよ)」の意味となっています。ある日、ピレウスの港に大型客船が到着し、アメリカからホーマーという古代ギリシャの民間研究家がやって来て、物語が展開していきます。御興味がある方は、映画を御覧ください。映画のなかでは、主役のイリアを演じたギリシャ出身のメリナ・メリクーリがこの歌を歌っています。
【原題と歌詞の和訳は、以下のとおりです。】
TA PEDIA TON PIREA(当初日本にて紹介されていたタイトル名であり、ギリシャ語をアルファベットに変換したものと思われるが詳細は不明である。ギリシャ語の表記はジャケット写真の上部の記載のとおりである。)
【日曜日はダメよ】
私の窓から1人、2人、3人、4人の
男の子達にキッスを送りましょう
彼等が大人になったら
きっとすばらしくたくましい
ピレウスの青年になるでしょう
どこを見渡してもピレウスほど
すてきな港は見つける事が出来ない
映画の題名(歌のタイトル)と内容は別にして、マノス・ハジダキスのギリシャに対する心の原風景を、NANAの歌声で聴いてみてはいかがでしょうか?NANAのほかには、コニー・フランシスやイーディ・ゴーメ、ペトゥラ・クラーク、ドリス・デイらが歌っております。
ところで、上の写真はNANAがフランス・デビューしたEP盤のジャケット写真ですが、NANAの名前だけでジャケットには映画のワンシーンと思われる写真が使用されております。本EPは手持ちの資料によると、Bel-Air 211 023で1960年5月に発売されております。NANAがメガネをかけていたため、NANAの顔がジャケットを飾るのは1962年からになります。