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NANA MOUSKOURI “シェルブールの雨傘”

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NANA MOUSKOURI “シェルブールの雨傘

写真上は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ リフレクション18~アンコール≫(FONTANA FDX-7038 1975)の邦盤LPの表面、写真下はシェルブールの雨傘~日本語盤≫PHILIPS FL-1144)の邦盤EPの表面です。

今回は本LPとEPに収められているシェルブールの雨傘について紹介致します。1964年のフランス映画シェルブールの雨傘の主題歌で、作曲はフランス・ポップス界の巨匠ミッシェル・ルグラン、作詞は監督のジャック・ドミー、セリフがそのまま歌になっているという異色的なミュージカル映画でした。雨傘屋の娘とガレージで働く青年の愛と人生を描いた映画で、カトリーヌ・ドヌーヴの可憐な姿を思い出されるでしょう。LPはフランス語で、EPは日本語で唄われております。

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シェルブールの雨傘”のストーリー

フランスの港町シェルブールに住む20歳の自動車整備工の男と17歳の雨傘屋の娘は将来を誓い合った恋人同士。娘の母親は二人が若過ぎるため結婚に反対していた。
そんなある日、男に召集令状が届き2年間の兵役を務めることになった。別れを惜しむ二人は結ばれたが、男はシェルブール駅で別れを告げ入営した。
その後、娘の妊娠が判り、男より喜びの手紙も届くが、戦争が次第に激化していき、連絡も途絶えがちになった。
娘は男の帰りを待ち続けていたが、娘の生活も苦しく金策に追われる日々が続いていた。娘を見初めた男が母と娘を救い、娘はその男の求婚を受け入れ、母共々パリに移住する。
足を負傷して除隊となった男は、帰郷し娘の結婚と移住を聞かされ、自暴自棄となるが、ある娘の支えもあり叔母の遺産でガソリンスタンドを購入、その娘と結婚する。
ある雪の夜、1台の車が男のガソリンスタンドに給油に訪れる。運転席にはあの雨傘屋の娘が、助手席には3,4才くらいの女の子が乗っている・・・・・・・。

シェルブールの雨傘 LES PARAPLUIES DE CHERBOURG

あの日からは 私は孤独の中で
ただ生きているだけです
貴方が行ってしまってからは
来る夜も 来る夜も 貴方の面影だけを慕い
誰にも会わずに 一人ぽっちで暮らしています
私には何も判りません
貴方なしでは どうしたらいいのか判らないのです
何もしたくないのです 希望もありません
私達の恋の歌を聞いて下さい

 

私には何も出来ません
貴方なしでは生きては行けません
何も出来ないのです 行かないで下さい
私は死んでしまいそうです
ほんの一時でも 貴方と離れられません
何も出来ないのです
オー モナムール 行かないで!
モナムール 待っています
一生待ち続けます 私のそばに居て下さい
お願いです 戻って来て下さい
私には貴方が必要です
私は貴方のために生きて行きたいのです
オー モナムール 行かないで!

 

二人は駅のホームで
別れ別れになりました
二人は今では 遠く離れ離れに暮らしています
オー モナムール 行かないで!

シェルブールの雨傘 日本語版(作詞:あらかわ ひろし)

ただ生きているだけの私 来る日も 来る日も
あの人の影を追って 闇の中で瞳をこらす

 

私のまわりは 貴方だけが 貴方のほかには 何も見えない
七色の雨傘に私は 今宵も思いを寄せる

 

あの人のその姿が 小さく消えてしまっても
私はそっとこのまま 立ちつくしていたい

 

この胸に この両手に あの人の その全てを
暖かく抱きしめたまま オー! モナムール いつまでも

 

愛の誓いの言葉さえ そっと心に秘めたまま
オー! ジュ・テーム 行かないで!

愛し合う二人がデュエットした別れの歌を、NANAは情緒豊かにその美しい調べを唄い上げています。NANAの声は、この曲のイメージにピッタリで、透き通った軽やかさと安定した唄い方が、この曲をドラマチックなものにしています。