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NANA MOUSKOURI “ハニー”

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NANA MOUSKOURI “ハニー”

写真は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ ベスト・アンコール!≫(FONTANA FDX-9029~30 1974)の邦盤LPの表面です。本LPは、アテネの白いバラ、ナナ・ムスクーリのヒットを集めて彼女の魅力を探るアルバムとなっております。また、ナナ・ムスクーリの紹介記事には、≪ハリー・ベラフォンテが彼女をスカウトした話や来日したベラフォンテが記者の質問に対して『好きなアーティストの中にナナ・ムスクーリがいます。』と答えています。≫との記事が紹介されています。

“ハニー”

今回は、本LPに収容されている“ハニー”を紹介致します。この曲は、アメリカのC&Wのシンガー、ボビー・ゴールズボロが1968年に放ったビッグ・ヒット・ナンバーで、1967年にボブ・ラッセルが作詞・作曲したものです。NANAはミシェル・ジュールダンのフランス語歌詞で聞かせてくれます。フランスでの曲のタイトルは、『木はすべて花盛り』です。
≪愛する人が植えた木が、大きく育ったのを眺めながら、今は亡き彼と共に過ごした日々を・・回想する。≫といった内容の、しみじみとしたカントリー・バラードで、感動的な名曲・名唱です。

ハニー TOUS LES ARBRES SONT EN FLEURS “Honey”

木々に みな花が咲いて
ヤマモモの木にも色がついていたのを
貴方は好きだった
バラ色のリンゴの木も青空を背にして

 

幸せの香を一杯漂わせて
降った雪が少し残っていたのを
貴方が雪かきをしたこともあったっけ
ふと私が目覚めた時 
庭に春が一杯大きく 
広がっていたのを覚えている
貴方が微笑む時 心底楽しそうで
私はそれが好き
その澄んだ眼差しが 私を見つめる時
私の心の底まで 見抜かれてしまう
そんな気がした

 

貴方はとても強い人
けれど悲しく疲れた時
私がそっと抱いてあげた時は ほんの子供みたい
私は何度か貴方に辛い思いをさせもした
でも私には生涯の人といえば 貴方しかいない
ピエール!好きよ 貴方1人しか私にはいないの
貴方は私の傍に眠る影

 

私の帰りが遅い時 私なしでは眠れないと
貴方が待っていた時
貴方は一晩中 語り続けたっけ
私と貴方の一生がどんな風に からみあって行くのかを
クリスマスの嵐の夜 貴方は言った
外は美しい星だと 私もそう信じたの
今でも覚えている 二人は決して別れないと
貴方が言ったあの言葉を
私は信じ切っていたから 
ピエール!好きよ 貴方しかいないの
私の傍で眠る影 それは貴方

 

何故今夜 庭の花は
星の光に青く光るの
春が巡ってきて もう二年
でも私はだんだん ダメになってしまうの
どうもがいてみても 時が流れても
貴方が微笑みながら 野をかけるのを見たのは
それは去年の春のこと
貴方はもう永い間眠り続け 目を覚ますことはない
何処か遠い他国で ここより美しい庭で
その大きな舞台で 貴方は
毎日愛を生き続けているのかしら

NANAの悲しみを秘めた彼女のヴォーカルは、次第に感情を高らませて曲調を盛り上げてゆきます。聴き込んでいくに従い、胸の底からジーンと熱くなっていきます。