NANA MOUSKOURI “明日に遠く”

写真上は、アルバム・タイトル≪NANA MOUSKOURI／ROSS AND SUNSHINE≫(PHILIPS 9103 550 1979 CANADA)の洋盤ＬＰの表面、写真下はその裏面です。このアルバムは、ナナの本格的なアメリカ・デビュー・アルバムで、1979年9月の全米縦断公演でのコンサート曲目として、トラディショナル・ナンバーを中心にアメリカの人気シンガーの曲が収められています。日本では、同様の邦盤ＬＰが≪ナナ・ムスクーリ／愛はバラのように≫(PHILIPS FDX-463 1976)として発売されています。

明日に遠く

今回は、本ＬＰに収められている≪明日に遠く≫を紹介致します。この曲は、アメリカのミュージシャンであるボブ・ディランの1963年の曲です。この曲は、1971年に発売された＜グレイテスト・ヒッツ第２集＞にライヴ・ヴァージョンが収録されているだけで、正式なスタジオ録音は発表されておりません。もともとは、元恋人のスーズ・レトロのことを歌ったラブ・バラードだと言われていますが、ナナが唄うこの曲は多少アレンジされており、ディランの生々しい迫力にあふれた歌とは違う魅力が有ります。

明日に遠く　TOMORROW IS A LONG TIME

もし今日が道に迷わなかったら
もし今夜が不正の物語でなかったら
もし明日がそれほど長い時間でなかったら
孤独は何の意味もないでしょう

水面に映る自分の姿が見えない
痛みを感じさせる話も出来ない
足音の反響も聞こえず
自分の名前も思い出せない

そうだ　もし私の本当の愛が待っていて
彼の心臓の鼓動が静かに聞こえるなら
彼が私のそばに横たわっていたなら
私はもう一度ベッドに横たわるだろう

夏の歌声の川には美しさがある
空に昇る日の出には美しさがある
しかしこれらも他の何ものも　
真実の愛に覚えている美しさに触れることが出来ません

そうだ　もし私の本当の愛が待っていて
彼の心臓の鼓動が静かに聞こえるなら
彼が私のそばに横たわっていたなら
私はもう一度ベッドに横たわるだろう