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NANA MOUSKOURI “おゆきなさい、わが友”

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NANA MOUSKOURI “おゆきなさい、わが友”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI“NOUVELLES CHANSONS DE LA VIEILLE FRANCE”≫PHILIPS 9101 213 1978 FRANCE)の洋盤LPの表面です。NANAはフランス民謡を数多く取り上げて唄っておりますが、本LPも素晴らしい選曲によるフランス民謡集に仕上がっております。日本に初めて紹介される珍しい民謡も多く含まれております。日本にては、同様のLPが≪恋人たちの詩集~美しきフランス~≫PHILIPS FDX-530 1978)として発売されています。

おゆきなさい、わが友

今回は、本LPに収められている≪おゆきなさい、わが友≫を紹介致します。この曲は、中世の頃のフランスのヴェンデ地方からノルマンディー地方に伝わっていたとされる作者不詳の民謡をジョン・サケルが採譜したものです。レイモン・ルグランの編曲で、新しい歌詞をつけたものがあり、ティノ・ロッシ、ダニエル・ダリュー、リュシエンヌ・ドリールらによって唄われヒットしました。ナナのこの唄は、“聖ヨハネの祝日”の唄だそうで、夏至の頃の夜に、火の周りでロンドを踊りながら、この唄を歌うとのことです。ナナは、ブラックバーンによる英語歌詞(英題;ALL OVER THE WORLD)にても唄っております。

おゆきなさい、わが友 VA MON AMI VA   対訳;鳥取絹子(一部改訳)

さあ 聖ヨハネの祝日よ
夜の集いをしたらどお?
さあ 聖ヨハネの祝日よ
夜の集いをしたらどお?
あなた方の許婚者が 一同に集まってくるでしょう


行きなさい 私の友 月が昇るわ
行きなさい 私の友 月が消えるわ
(2回繰り返し)


あなた方の許婚者が
一同に集まってくるでしょう
あなたの彼がいない
御免なさい
彼はパリか ヴァンデ県にいるはず


行きなさい 私の友 月が昇るわ
行きなさい 私の友 月が消えるわ
(2回繰り返し)


いちばん愛する人
彼は何を持ってくるかしら?
儲けたお金と
役に立つ物と
そして金の指輪 純白のドレス


行きなさい 私の友 月が昇るわ
行きなさい 私の友 月が消えるわ
(2回繰り返し)


金の指輪と
純白のドレス
ずっと離れていても
彼がまだ思っていて
他の娘に 心を捧げなかったなら


行きなさい 私の友 月が昇るわ 
行きなさい 私の友 月が消えるわ
(4回繰り返し)

ヨハネの祝日;洗礼者ヨハネの誕生日とされる6月24日の祭日であるが、ヨーロッパの伝統であった夏至の時期の祝祭と結びつき、夏のクリスマスとも呼ばれる。この祭りには、太陽に力を与えるとされるたき火が付き物であり、その周りを一晩中踊り明かし、その上を飛び越えるもので、これには恋占いや縁起かつぎの意味が込められているという。

婚約者の彼が無事に戻って来るのか気になるところでありますが、ナナの素直な演唱はしみじみとした情感を漂わせます。印象的なリフレインが耳に残る佳曲です。

NANA MOUSKOURI “初めてのこと”

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NANA MOUSKOURI “初めてのこと”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “DANS LE SOLEIL ET DANS LE VENT”≫(FONTANA 6399 014 1969 FRANCE)の洋盤LPの裏面です。このLPは、1969年に録音された曲で、全ての曲がフランス語歌詞で編集され、メロディーが美しく優れた歌詞の唄が選曲されております。ナナが世界進出を果たし、パリの恋人としての不動の地位を確立した頃の記念すべきアルバムです。日本にては、同様の邦盤LPがNANA MOUSKOURI FIRST ALBAM≫(PHILIPS SFX-7226)として発売されています。

初めてのこと

今回は、本LPに収められている≪初めてのこと≫を紹介致します。この曲の原曲は、スコットランド出身のフォーク・シンガーであるイワン・マッコールが、1957年に当時の恋人であり後に妻となったペギー・シーガーに捧げた作品(The First Time Ever I Saw Your Face)です。この曲を、1969年にロバータ・フラックがデビュー・アルバムに収録≪邦題名:愛は面影の中に≫し、1972年のクリント・イーストウッドの主演監督作品<恐怖のメロディー>に採用されて大ブレークしました。この曲に、エッディ・マルネーがフランス語歌詞を書き、原曲の喜びのラブ・ソングが失意のラブ・ソングに生まれ変わりました。
ナナが唄う原曲の≪はじめて会った時に[THE FIRST TIME EVER(I saw your face)]≫については、以前に当ブログにても紹介しております、是非御覧下さい。

初めてのこと LA PREMIERE FOIS

あの日 初めて
目の前の 二つの瞳を見つめて
不意に分かったの 愛が何処から生まれるか
でもお前は何も言わなかったわね 私の心よ
お前は何も言わなかった


あの日 初めて
胸に置いた手を 心のときめきが打った
初めての恋に なんと若々しかったこと
あの日お前のために祈ったわ 私の心よ
あの日お前のために祈りを捧げたの


私には分かっていた
初めての時が 最後の時だということを
それで天に向って 訴えたかったの
彼がいつまでも愛してくれますように 神様
私をいつまでも愛してくれますように


<初めて>は<おしまい>なの・・・・・・

ナナは、ジ・アテニアンズのコーラスと演奏をバックに、かなわぬ愛への切ない想いを淡々と語り掛けてくれます。

NANA MOUSKOURI “愛の許し”

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NANA MOUSKOURI “愛の許し”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “ALLELUIA”≫PHILIPS 9101 159 1977 FRANCE)の洋盤LPの見開きのスナップ写真です。このアルバムには、ナナの本領を発揮したギリシャの曲をはじめ、シャンソン歌手であるセルジュ・ラマとデュエットした《ハバネラ》を収めた力作となっております。日本では、同様の邦盤LPが、≪愛のハレルヤ/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-345 1978)として発売されています。

愛の許し

今回は、本LPに収められている≪愛の許し≫を紹介致します。この曲は、C・ラムスルが作詞し、作曲は本アルバムの伴奏指揮を担当しているアラン・ゴラゲールによるもので、原題はフランス語で≪許して下さい≫です。愛しい人を熱愛するがあまりに、自分の身も心も燃え尽き冷え切ってしまった、一途な女の愛の唄です。ナナは、心を込めて唄い上げていきます。

愛の許し PARDONNE-MOI

私は来ました
感じやすい心 裸の手で
私は来ました
貴方がもう戻らないから
私は来ました
叫びたい子供のように
悔悟者(カイゴシャ)のように 下を向いて
御免なさい
貴方をこんなに愛し
貴方に夢中になるあまり
身も心も寒くなってしまったことを
御免なさい
貴方にお願いすることを
御免なさい
貴方に夢中なこと


私は来ました
神へ向かう 罪人のように
私は来ました
火に向う 殉教者のように
私は来ました
狂気に向かう 気違いのように
生を望む生まれたばかりの子のように
御免なさい
貴方をこんなに愛し
貴方に夢中になるあまり
身も心も寒くなってしまったことを
御免なさい
貴方にお願いすることを
御免なさい
ただ 貴方を愛してしまったこと

ナナの愛する人を思う切ない彼女の唄声が、静かに深くしみじみと聴く人の心を打たずにはおきません。彼女ならではの個性が光る佳曲です。