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Sound Gallery ブログ

吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “水夫の帰還”

Nana Mouskouri

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NANA MOUSKOURI “水夫の帰還”

写真は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリシャンソン・アルバム≫(FANTANA SFX-6003 1974)の邦盤LPの表面です。本LPは、ナナがパリを拠点として活動する中で、シャンソンを数多く取り上げておりますが、その中から名曲・名唱を集めて編集された1枚です。彼女ならではの美しい演唱に、シャンソンの魅力を再発見する事が出来ます。                   

水夫の帰還

今回は、本LPに収められている≪水夫の帰還≫を紹介致します。この曲は、≪勇敢な水夫が戦から帰って来た≫という題でも知られるフランス民謡です。≪水夫が戦争から帰ってみると、その妻は彼が戦死したと思い込んで、他の男と結婚していた。そこで水夫は、泣きながら立ち去ってゆく。・・・≫という物語が、聞く人の涙を誘います。各フレーズの終わりに付く、<tout doux/静かに(そっと)>という繰り返し文句が印象的です。この曲は、ナナがフランス民謡集からピックアップし、1973年7月に録音したもので、曲のアレンジと伴奏はジョルジュ・ペツィラスが担当しました。

水夫の帰還 BRAVE MARIN (LE RETOUR DU MARIN)

勇敢な水兵が 戦争から帰って来た 静かに

勇敢な水兵が 戦争から帰って来た 静かに

靴も着物も 粗末で

可哀そうな水兵さん 何処から帰って来たの

 

奥さん 戦争から帰って来たんですよ 私は

奥さん 戦争から帰って来たんですよ 私は

白ブドウ酒を持ってきてくれますか

水兵は 通りすがりに飲むんですから

 

勇敢に飲み始めた 静かに

飲み始め 歌い始めた

そして 美しい女主人は泣き始めた 静かに

 

どうしたんですか 美しい奥さん

どうしたんですか 美しい奥さん

私にくれた白ブドウ酒が惜しいのですか

水兵が通りすがりに飲んだ

 

泣いているのは ブドウ酒のせいではありません

けれど 主人が死んだからなんです

貴方は とても主人に似ているんです

 

言って下さい奥さん 男は静かに言いました

言って下さい奥さん 男は静かに言いました

貴方には子供が3人いましたね

今は6人いるんですね 静かに言いました

 

知らせが来たんです 静かに言いました

彼が死んで 埋葬されたって

そして 私は再婚したんです

 

勇敢な水兵は 盃を飲み干した

お礼も言わずに 泣きながら

男は 彼の家に帰って来たのだった

お互いの身分を明かす事も出来ず、妻の幸せを願って立ち去っていく水兵の心情を、J・バゼリの哀愁の漂うアコーディオンの音色に乗って、ナナは切々と唄います。

NANA MOUSKOURI “ハートのクイーン”

Nana Mouskouri

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NANA MOUSKOURI “ハートのクイーン”

写真上は、アルバム・タイトル≪ALONE/NANA MOUSKOURI≫(PHILIPS 28PP-104 1985)の邦盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このLPは1985年の録音で、ヒット曲のほかにトラディショナル・ナンバーも幾つか収められております。ナナが50歳の坂にさしかかる頃の作品ですが、その歌声は衰えを見せず、円熟したフィーリングのヴォーカルを味わう事が出来ます。

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ハートのクイーン

今回は、本LPに収められている≪ハートのクイーン≫を紹介致します。この曲は、トラディショナルなフォークソングのひとつで、採譜・編曲はジョン・サケルです。『今日ここに居るあの人は、明日にはもう行ってしまう。愛する人と別れたら、私はどうすればいいのでしょう。父も母も兄弟も愛しているけれど、みんなを捨てて、私は貴方と一緒に行きます。・・・』という愛の歌で、ナナは英語歌詞で唄います。

ハートのクイーン THE QUEEN OF HEARTS

ハートの女王様へ

悲しみのエースは

今日はここへ

明日は何処へ

 

若い男なら 沢山いても

恋人にするには わずかしかいない

もし 私の愛しい人が行ってしまえば

私はどうすればいいと言うの

 

私の聞いた話では

あそこの山の中には

金や銀が

数えきれない程あると言う

 

私には貴方の心が

読み切れない

私の目は

何も見えない

 

私は父を愛している

私は母を愛している

私は妹を愛している

私は弟を愛している

 

私は友人を愛している

そして 親戚もみんな

でも 私は全てを投げ捨てて

そして 貴方と一緒に行くわ

ジョゼ・スークのギターをフィーチャーした伴奏により、ナナはしみじみとした美しいヴォーカルで愛ゆえの家族と友との別離の歌を唄います。

NANA MOUSKOURI “とねりこの林”

Nana Mouskouri

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NANA MOUSKOURI “とねりこの林”

写真上は、アルバム・タイトル≪SONGS OF THE BRITISH ISLES≫PHILIPS 9101 024 1976 ENGLAND)の洋盤LPの裏面です。このLPは、イギリス民謡の名唱集で、イギリス各地の田園(ウェールズイングランドアイルランドスコットランド)に伝わる代表的な民謡が収められています。写真下は、アルバム・タイトルアヴェ・マリア~母と子のアリア≫PHILIPS 28PP-136 1987)の邦盤LPの裏面です。このLPは、イギリス、フランス、スペインの民謡と古くから伝わるクラシカル・アリアの名曲を集めたナナのベスト・アルバムとなっております。

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とねりこの林/とねりこの木立

今回は、これらLPに収められている≪とねりこの林/とねりこの木立≫を紹介致します。この曲は、ウェールズ地方の代表的な民謡で、いろいろな歌詞で歌われておりますが、一番多く歌われるのは、伝説民話のバラードで、とねりこの林にて悲劇の恋をしたお姫様の悲しい思い出の物語です。とねりこの葉の優しいささやきが、悲しい思い出を語り掛けてくれます。ナナは、オーウィッグ・ジョーンズの英語歌詞で唄います。

タイトル名の≪とねりこ≫は、セイヨウトリネコという落葉樹で、ヨーロッパ全般に自生しており、大きいものになると樹高20~35m、直径2mにも達します。なお、≪とねりこ≫の和名は≪トネリコ≫で、この木の樹皮に付着するイボタロウムシが分泌する蝋物質を、敷居の溝に蝋を塗って滑りを良くすることから「戸に塗る木(トニヌルキ)」とされたものが転じて「トネリコ」となったと言われています。

とねりこの林  THE ASH GROVE “LLWYN ON”

対訳:ドロシー・ブリトン

優美な とねりこの林に
ハープが鮮やかに 私にものを言う
こずえの日差しに
やさしい顔が 私を見つめ
おさな友達との 再会
静かにささやく 木の葉の下を
さまようほど 思い出がおきる
とねりこの林こそ 私の故郷よ


もう笑えない 心の気楽さも失い
なぐさめには 希望も夢もない
昔の楽しさを 考え込むよりしようがない
悲しんだ死者は ここに再び生きている
彼等は暗い隅々から 私に会いに来る
広い木の葉の 円頂※を仰ぐと
他の友達も 挨拶して下さる
とねりこの林こそ 私の故郷よ

円頂;ドーム状の樹冠の丸い頂きの意

ウェールズ地方のとねりこの林を散策すると聞こえてきます。この≪とねりこの葉のささやき≫を、ナナは丁寧に淡々とした味わいを醸し出して私達に語り掛けます。