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NANA MOUSKOURI “パリの小さな橋”

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NANA MOUSKOURI “パリの小さな橋”

写真上は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “ALLELUIA”≫PHILIPS 9101 159 1977 FRANCE)の洋盤LPの表面、写真下は見開きのスナップ写真です。このアルバムには、ナナの本領を発揮したギリシャの曲をはじめ、シャンソン歌手であるセルジュ・ラマとデュエットした《ハバネラ》を収めた力作となっております。日本では、同様の邦盤LPが、≪愛のハレルヤ/ナナ・ムスクーリ≫(PHILIPS FDX-345 1978)として発売されています。

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パリの小さな橋

今回は、本LPに収められている≪パリの小さな橋≫を紹介致します。この曲は、フランスに古くから伝わる民謡に、アラン・ゴラゲールがアレンジを施した歌です。<アヴィニョンの橋の上で SUR LE PONT D’AVIGNON>と同様な、可愛らしい歌詞がわらべ歌風に綴られています。ナナは、<お嬢さん、スカートの端が汚れてますよ。あんまり長すぎるから、引きずるんですヨ。・・・>と愛らしく唄います。

パリの小さな橋  A PARIS SUR LE PETIT PONT

パリの小っちゃな 橋の上
泉のほとりに
パパが私に 家を建ててくれました
テュ・トン、テュ・トン ・・・・
スカートの端が汚れてますよ お嬢さん
あんまり長すぎるから 引きずるんです


家を作る 大工たち
泉のほとりで
みんな私の名前を 聞きました
テュ・トン、テュ・トン ・・・・
スカートの端が汚れてますよ お嬢さん
あんまり長すぎるから 引きずるんです


マーガレットが 私の名前
泉のほとりで
あんたの胸の中にあるのは 一体なあに?
テュ・トン、テュ・トン ・・・・
スカートの端が汚れてますよ お嬢さん
あんまり長すぎるから 引きずるんです


これは3羽の鳩で作った パテ
泉のほとりで
座んなさい これをみんなで食べましょう
テュ・トン、テュ・トン ・・・・
スカートの端が汚れてますよ お嬢さん
あんまり長すぎるから 引きずるんです


パリの小っちゃな 橋の上
泉のほとりに
パパが私に 家を建ててくれました
テュ・トン、テュ・トン ・・・・
スカートの端が汚れてますよ お嬢さん
あんまり長すぎるから 引きずるんです

ナナの童心の唄声のわらべ歌が、聴く人の気分を明るくしてくれます。テュ・トン、テュ・トン ・・・・ (Tu ton tu ton tu taine)というリフレインが快く響きます。

NANA MOUSKOURI “ラスト・ソングを二人で”

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NANA MOUSKOURI “ラスト・ソングを二人で”

写真上は、アルバム・タイトル≪青空の恋人/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-309 1977)の邦盤LPの表面、写真下はその裏面です。このアルバムは、1976年の録音で、ナナのさりげない素直なフィーリングの中に、彼女ならではのユニークな個性が発揮されているアルバムです。また、“知られざる名曲”を数多く収録し、すぐれた作品を厳選して唄っており、彼女の主張が伺えます。

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ラスト・ソングを二人で

今回は、本LPに収められている≪ラスト・ソングを二人で≫を紹介致します。この歌の原曲は、アメリカのシンガー・ソングライターであるニール・セダカが作曲し、彼の相棒であるハワード・グリーンフィールドが作詞した1974年の作品(ラスト・ソングを二人で Our last song together)で、セダカ自身のほかに多くの歌手によって唄われヒットしました。この曲に、クロード・ルメールがフランス語歌詞を書き、仏題は《初めて一緒に唄う歌》という歌になりました。『初めて一緒に歌うシャンソン、今の幸せが何時までも続いてほしい・・・。』と愛を願うささやきがつづられております。ナナは英語歌詞にても録音しておりますが、フランス語歌詞で愛のささやきを唄います。

ラスト・ソングを二人で  LA PREMIERE CHANSON ENSEMBLE

これはもろくて ほんとにちっぽけ
今日生まれた この愛・・・
これは内気で ためらいがち
まるで 春の始まりのよう
二人共 まだよく分からないの
これが続くのか
それとも 最初の北風で
裂かれてしまうのか


初めて一緒に歌うシャンソン
本当に 初めての愛の叫び
耳を貸してくれる人に 囁くの
今の幸せが いつまでも 続いてほしい・・・


貴方の目で 私は美しくなり
貴方の火で 私は輝き
貴方と 同じ名前になるの
指輪は無くても
そして たとえ世界が
狂ったリズムになったとしても
唄が 変わったとしても
ルフランは 私達・・・


初めて一緒に歌うシャンソン
本当に 初めての愛の叫び
耳を貸してくれる人に 囁くの
今の幸せが いつまでも 続いてほしい・・・


ラララ・・・・・
アバンチュールがこうだったの
貴方と私が巡り合った
傷つくのは 何時でしょう
きっと 貴方が変わる時
貴方は かけがえの無い愛の誓い
私の最後の贈り物
貴方は かけがえの無い声
二人で デュエットをするために


初めて一緒に歌うシャンソン
本当に 初めての愛の叫び
耳を貸してくれる人に 囁くの
今の幸せが いつまでも 続いてほしい・・・


ラララ・・・・・
初めて一緒に歌うシャンソン
本当に 初めての愛の叫び
耳を貸してくれる人に 囁くの
今の幸せが いつまでも 続いてほしい・・・

ナナが唄う<愛のささやき>の演唱は、何とも言えない情感を醸し出しており、心に沁み渡って来ます。彼女ならではの個性が光る佳曲です。

NANA MOUSKOURI “ロング・ゴーン”

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NANA MOUSKOURI “ロング・ゴーン”

写真上は、アルバム・タイトル≪DIS-MOI 愛のささやき/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5069 1973?)の邦盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このLPは、1971年と1972年に録音された曲で編集、全ての曲がフランス語歌詞にて構成されております。ナナの円熟味を増した魅惑の唄声を、充分に味わうことが出来るLPに仕上がっております。

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ロング・ゴーン

今回は、本LPに収められている≪ロング・ゴーン≫を紹介致します。この曲の原曲は、アメリカのシンガー・ソングライターであるニール・ダイアモンドが、1968年の暮れに発表した作品《ロング・ゴーン LONG GONE》です。この曲に、ミッシェル・ジョールダンとセルジュ・ラマの二人がフランス語歌詞を書き、仏題は≪風が貴方を連れて行くところへ≫という歌になりました。『信じさえすればすべてが可能になる。若い時は二度と来ないから、風の吹くまま遠くへ行き、一人前の男になって帰って来なさい。』と、我が子に向かって語りかける、教訓に富んだ歌詞がつづられています。

ロング・ゴーン OU LE VENT T’EMMENE

すべては出来る 信じさえすれば
出来ないことなど ありはしない
思春期は戻ってこない
だから 待たずに前に進まなきゃ


行きなさい 遠く 風の吹くままに
行きなさい 遠く いいと思う様に
遠く 遠く 一日の苦があれば
喜びの日が 十万日あるところへ


世界を駆け巡り
戦いなさい
しまいには
貴方は勝つわ
チャンスに賭けて
チャンスは貴方のものになる
信じなさい
貴方には未来が一杯


行きなさい 遠く 風の吹くままに
行きなさい 遠く いいと思う様に
遠く 遠く 一日の苦があれば
喜びの日が 十万日あるところへ


行きなさい 遠く 風の吹くままに
生きなさい 遠く いいと思う様に
遠く 遠く 世界の風の吹くままに
そして 私なしでも 世界を回りなさい


行きなさい 遠く 風の吹くままに
今夜 私の子供 貴方は発って行く
行きなさい 遠く そして苦労を重ねて
ある日 一人の男になって 帰って来る様に


行きなさい 遠く 風の吹くままに
今夜 私の子供 貴方は発って行く
行きなさい 遠く そして苦労を重ねて
ある日 一人の男になって 帰って来る様に

アラン・ゴラゲールの軽快なリズムの伴奏に乗って、ナナの軽やかな演唱もまことに快い限りです。

NANA MOUSKOURI “消えうせた夢”

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NANA MOUSKOURI “消えうせた夢”

写真上は、アルバム・タイトル≪QUE JE SOIS UN ANGE≫PHILIPS 9101 007 1974 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下は見開きのスナップ写真です。このLPは、ナナが1974年に発表したアルバムで、フランス語歌詞を中心に、情感豊かな歌声を聞かせてくれます。曲目も、きわめて国際色豊かで、オリジナル・ナンバーのほか、イギリス、アメリカ、ドイツ等の曲を取り上げ、親しみやすい演唱を繰り広げています。日本では、同様の邦盤LPが、ナナ・ムスクーリ/夢がある限り≫(FONTA FDX-133 1975)として発売されています。

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消えうせた夢

今回は、本LPに収められている≪消えうせた夢≫を紹介致します。この曲は、クロード・ルメールが作詞し、このアルバムの伴奏とアレンジを担当しているアラン・ゴラゲールが作曲したオリジナル作品です。また、ブラックバーンによる英語歌詞《消えうせた夢He’s gone away》や、日本語歌詞《消えうせた夢》にてもレコーディングされております。<NANA MOUSKOURI A PARIS>のライブ録音盤では、曲のタイトル名が≪想い出の旅立ち IL EST PASSE≫として紹介されています。
ノスタルジックな情感を漂わせながら、ナナは「通りすぎて行った彼のことが忘れられない。・・・」とフランス語歌詞で唄います。

消えうせた夢 IL EST PASSE

彼は 他の町からやって来ました
もの静かな雰囲気で
風のことや 人のことや 島のこと
ちょっと馬鹿げたことを言っていました
彼には腰を落ち着ける港はなくて
大きな夢と そんな雰囲気しか持っていませんでした
国境はなく 惨めさしか持っていませんでした
彼は通りすぎて行きました
通りすぎて行っただけなのです
もう彼のことを考えるのは およしなさい
季節が変わって 彼は居なくなってしまいました
彼は通りすぎて行きました
通りすぎて行っただけなのです
もう彼のことを考えるのは およしなさい
そんなことは 時代遅れの夢なのに・・・・
彼は通りすぎて行きました
そして貴方は従わなきゃいけないことや
貴方に約束されたことは何も考えず
彼のことしか考えていません
結婚や つかの間の希望など
彼は知りたくたくもなかったのです
けれど 彼はとても優しかったから
貴方は彼を待っているのね
秋が来て
貴方が めちゃくちゃにノスタルジックになった時
彼は通りすぎて行きました
通りすぎて行っただけなのです
もう彼のことを考えるのはおよしなさい
季節が変わって 彼は居なくなってしまいました
彼は通りすぎて行きました
通りすぎて行っただけなのです
もう彼のことを考えるのはおよしなさい
そんなことは 時代遅れの夢なのに・・・・
彼は通りすぎて行きました
そして貴方はまだ 彼のことしか考えていません

アコースティック・ギターの音色と共に、去って行った人を思う彼女の唄声が、静かにしみじみと聴く人の心を打たずにはおきません。とても印象に残る名唱です。

NANA MOUSKOURI “懐かしの恋人たち”

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NANA MOUSKOURI “懐かしの恋人たち”

写真は、アルバム・タイトル≪恋人達の詩集/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-530 1978)の邦盤LPの表面です。NANAは、フランス各地で唄われた、伝統豊かな美しい民謡を数多く取り上げて唄っておりますが、本LPも素晴らしい選曲によるフランス民謡集に仕上がっております。

懐かしの恋人たち

今回は、本LPに収められている≪懐かしの恋人たち≫を紹介致します。この曲は、古いフランス民謡で、16世紀までさかのぼることが出来ると言われております。作者は明らかではありませんが、フランス王フランソワ1世ではないかという説もあります。16世紀前半に君臨したフランソワ1世の時代は、イタリアのルネサンス文化の影響を強く受けたこともあり、王家の宮廷詩人達が新しい自由形式の詩を生み出すと共に、王室音楽家も親しみやすい旋律とリズムを持った新しい音楽が次々と開拓されていました。
ナナは、恋多き男の美しい愛の調べを、優しく静かに語りかけていきます。

懐かしの恋人たち MES BELLES AMOURETTES

私の懐かしい恋人達
何処へ行ってしまったの?
毎日場所を変えていますか?
空が私に望むように
あの頃の苦しみが懐かしい
恋の話をするために
あの森に行きましょう
私の懐かしい恋人達
何処へ行ってしまったの?
毎日場所を変えていますか?


私の懐かしい恋人達
何処へ行ってしまったの?
何回も場所を変えていますか?
私の秘密の苦しみを
誰に言えばいいのでしょう?
消えそうな声で歌うため
あの森へ行きましょう
私の懐かしい恋人達
何処へ行ってしまったの?
何回も場所を変えていますか?

ナナの唄声が、哀愁のこもったギターの伴奏に乗って、懐かしの美しい愛の歌に、いにしえの古き時代の息吹を与えてくれます。