NANA MOUSKOURIの“ビッグ・ショー”
ビッグ・ショーとは、NHK総合テレビで1974年4月7日から1979年3月20日まで放送された音楽番組で、第一線で活躍中のスターにスポットを当てたワンマンショー形式の番組でした。1974年8月4日(日)の20時45分からのビッグ・ショーにて“ナナ・ムスクーリ アテネの白いバラ”が45分間に亘り放映されました。(海外の歌手としては、NANAの他にはミルバ、ミレイュ・マチュー、エンリコ・マシアス、ジョルジュ・ムスタキ、スリー・ディグリーズ、ブラザース・フォー、ジルベール・ベコー、ブレンダ・リーらが放送されました。)
これは、NANAの1974年の初来日公演に合わせて、NHK放送センターCT・101スタジオで7月12日にビデオ撮りが行われたもので、7月22日・23日の公演は東京中野のサン・プラザ・ホールのみでしたが、ビッグ・ショーの放映で全国のファンの方が彼女の歌を楽しむことが出来たそうです。
写真は、ビッグ・ショーでNANAが歌った曲を中心に再構成されたLP盤(FONTANA SFX-5160)で、実際に放映された録音盤ではありませんが、ビッグ・ショーの気分を少しですが味わうことが出来ます。解説によると、ビッグ・ショーでNANAが歌った曲は以下の10曲で、シェルブールの雨傘と赤とんぼは日本語で歌われています。(ビッグ・ショーの放映の曲順は分かりません。)
『ナナ・ムスクーリ・ビッグ・ショー』
・日曜日はダメよ
(同名映画の主題歌でNANAの代表曲です。)・明日に架ける橋
(1970年のサイモンとガーファンクルの大ヒット曲です。)
・緑の輝き
(1970年のNANAのヒット曲で、軽快なフィーリングの曲です。)
・愛の歓び
(NANAお気に入りの曲で、コンサートでは良く歌われる曲です。)
・アテネの白いバラ
(NANAの最大の代表曲です。)
・太陽のように
(1970年のミシエル・フュガンのヒット曲です。)
(ミュージカル映画の主題歌で、荒川ひろし訳詩による日本語で歌われています。)
・伝説の島
(アレキサンダー大王の時代から伝えられる民話をもとに、作詞はニコス・カザンツァキス、作曲は恩師マノス・ハジダキスにより歌に仕立てられた曲です。)
・遥かなる銀河へ
(恩師マノス・ハジダキスの曲で、星座を歌い込んだメルヘン的なムードの曲です。)
・赤とんぼ
(日本を代表する山田耕作作曲・三木露風作詞の童謡で、日本語で歌われています。)
レコード・ジャケットの帯には、初来日公演に対する新聞各社のステージ評が、以下のとおり記載されています。
- 透明で温かく、聴衆を包みこむアルト!(読売新聞7/26号)
- 清涼な詩情で客席を魅了(毎日新聞7/27号)
- しっかりした基礎と個性、期待通りの大物!(朝日新聞7/25号)
当方がNANAと出合ったのは1998年ですので、NANAの1回しか実現しなかった日本公演もビッグ・ショーのテレビ放映も見ておりません。1974年に放映されたビッグ・ショーのテープについては、29回放送された内の5回分しか保存されていないとの事であり、多分NANAの放映分については残されていないと思われます。数少ない機会を逃して残念でなりませんが、NANAの歌声はレコード盤やCD盤に刻み込まれており、いつでも好きな時に聴くことが出来ますので、今は幸せと感じております。