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NANA MOUSKOURI “あわれな母親”

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NANA MOUSKOURI “あわれな母親”

本年もよろしくお願い致します!

写真は、アルバム・タイトル≪MES PLUS BELLES CHANSONS GRECQUES≫(FONTANA 6399 020 1963 FRANCE)の洋盤LPの表面です。本LPは、ナナがその本領を発揮した、記念すべき素晴らしいアルバムです。彼女が唄うのは生まれ故郷ギリシャの歌で、作曲者はギリシャの2大作曲家であるマノス・ハジダキスとミキス・テオドラキスの作品が収められています。日本では、同様の邦盤LPがナナ・ムスクーリギリシャを歌う≫(FONTANA SFX-6004 1974)(PHILIPS FDX-378 1978)として発売されています。

あわれな母親

今回は、本LPに収められている≪あわれな母親≫を紹介致します。この曲は、ナナの恩人であるギリシャの作曲家マノス・ハジダキスが作曲し、ギリシャの詩人・小説家であったヤコボス・カンバネリス(Iakovos Kambanelis)が作詞した作品です。ヤコボスは、ナクソス島出身ですが、その後、家族とともにアテネに引っ越しました。1942年、ナチス・ドイツの傀儡国家であったギリシャ国を批判したことからマウトハウゼン強制収容所に送られるも、1945年の終戦にて解放されています。<哀れなお母さん>への想いを、ナナは力強く溌剌とした歌声で唄います。

あわれな母親 MANOULA MOU

哀れなお母さん
お母さんの悲しみは
どんなに大きな河でも 洗い清めることは出来はしない


僕に何がしてあげられるでしょうか
一粒か二粒の涙の中には
四十二の悩みがあります
ああ お母さん ああ お母さん


でも それは何でもないことです
もし僕のほほに涙が流れて
僕が口を閉じたなら
ああ お母さん ああ お母さん


僕は探しているんだ 僕の気持ちのわかる人を
僕に話してくれる人を どうなるんだろう
一体どうなってしまうのだろう
誰が僕のこの気持ちを
受け止めてほしい
ああ お母さん ああ お母さん


<リフレーン>


La la la rila la la rilaa・・・・・

ナナは、神秘的でエキゾティシズム漂うメロディーに乗って、<お母さん>に呼び掛けます。美しくも悲しく、何とも言えない魅力が醸し出される佳曲です。