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NANA MOUSKOURI “グァンタナメラ”

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NANA MOUSKOURI “グァンタナメラ”

写真上は、アルバム・タイトル≪愛の讃歌/ナナ・ムスクーリ カスタム20アンコール≫(FONTANA FDX-71 1974)の邦盤LPの表面で、写真下はLP見開きのスナップ写真です。ナナ・ムスクーリが唄うスタンダード・ナンバーの特集版のVOL.2です。(以前に、当ブログにて紹介いたしました。) 
今回は、本LPに収められている≪グァンタナメラ≫を紹介致します。

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≪グァンタナメラ≫について

この曲は、キューバのポピュラー音楽で、もともとはキューバの農村に伝わる作者不詳の民謡でしたが、キューバ音楽を代表するシンガーソングライターであったホセイート・フェルナンデスが1920年代後半に作曲し、その後、キューバの音楽グループ≪オリヘネス≫のメンバーであったフリアン・オルボンが、キューバの文学者・革命家ホセ・マルティの≪素朴な詩≫の数節を取り出し歌詞としたものが唄われておりました。曲のタイトルである≪グァンタナメラ≫は、もともとは≪グァンタナモキューバ南東部の都市)の娘≫を意味していました。

この歌を聞いたアメリカのフォーク歌手ピート・シーガーが持ち歌として取り上げてから、フォークソングとしてポピュラーになりました。単純でリズミカルなこの曲には、人が自然に集まって来るような牧歌的なムードが漂います。ナナはJ.M.リヴァのフランス語歌詞で唄います。

グァンタナメラ GUANTANAMERA
(The’me trad.De Pete Seeger et Hector Angulo)
グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
あれは道を外した人でした
あれは間違いなく同胞でした
彼には身寄りも住む場所もなく
そして追放先の道の上や
山の小路や広場などで
彼が話していたのは 彼の町のことだけ


グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
そこではみすぼらしい彼の家は
綿の花よりも白かった
砂ぼこりのたつ道には
ラム酒とメロンの香りがした
レースのペチコートをはいた女達
ああ なんて美しかったこと!


グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
私には土地が全部残っている
でも 私はそんなに求めない
私が国境を越えた時
前には もう何も無かった
私は故郷を遠く離れ
宿から宿へ旅をした


グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
グァンタナメラ 私の町 グァンタナメラ
グァンタナメラ グァンタナメラ

ナナが素朴に唄うフランス語歌詞による≪グァンタナメラ≫の演唱は、もともとのキューバの農村に伝わっていた民謡の香りを残しているように思われます。ピート・シーガーの唄と聴き比べてみて下さい。