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NANA MOUSKOURI “美しきドエート”

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NANA MOUSKOURI “美しきドエート”

写真上は、アルバム・タイトル≪VIEILLES CHANSONS DE FRANCE/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6499 631 1973 FRANCE)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。このLPには、フランスの古いシャンソンが集められております。ギリシャの出身であるナナがフランスの民謡に挑み、見事な成功を収めた記念すべきLPです。日本でも同様のLPがアルバム・タイトル≪桜んぼの実る頃/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5094 1974)として発売されました。

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美しきドエート

今回は、本LPに収められている≪美しきドエート≫を紹介致します。この曲は、フランス民謡で、十字軍の戦いにて愛する人を失ったドエートという美しい女性の哀歌です。
彼女は窓際につきっきりで、本を読んでいても心は遥か遠くにあり、戦地の彼の安否を想っております。そこへ息もたえだえに、彼の従者が到着し、御主人の戦死を告げるのです。だから・・・彼女の心は、悲嘆にくれているのです・・・。
ナナの歌声は、誰が聞いても親しみやすく、素朴な民謡の精神を失わず、いにしえの古き時代の香りを感じさせます。

美しきドエート BELLE DOETTE

美しいドエートは 窓際に居て
本を読んでるけど 心は遠く
友達の事を想ってる
地球は回り続けるけれど
彼女の心は悲嘆にくれてる


一人の従者が 広間に入って来て
鞄の鍵を開ける
美しいドエートは 真っ蒼になった
知らせは 良いのか悪いのか
彼女の心は 悲嘆にくれてる


美しいドエートは 従者に尋ねた
私があんなに愛した人は何処
残念ですが 貴女には隠せません
私の御主人は戦いで殺されました
だから 彼女の心は悲嘆にくれてる

クリスチャン・シュヴァリエの編曲と伴奏指揮により唄う、ナナのしっとりとした歌声と絶妙の節回しが、聴く人の胸を打ちます。