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NANA MOUSKOURI “糸車”

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NANA MOUSKOURI “糸車”

写真上は、アルバム・タイトルアヴェ・マリア~母と子のアリア≫PHILIPS 28PP-136 1987)の邦盤LPの表面です。このLPは、ナナが過去に録音した民謡とクラシックの名歌18篇が収められたベスト・アルバムです。写真下は、アルバム・タイトル≪SONGS OF THE BRITISH ISLES≫(PHILIPS 9101 024 1976 ENGLAND)の洋盤LPの裏面です。

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糸車

今回は、これらLPに収められている≪糸車≫を紹介致します。この曲は、アイルランドの古謡で、ユニークな物語風の歌です。アイルランドバラードは、悲しい恋を語るものが多いのですが、この曲は、恋人に逢いに行きたい若い娘と、見守り役である祖母とのコミカルな駆け引きが唄われております。ナナの折り目正しい歌唱スタイルに、まさにピッタリの曲です。

糸車 SPINNING WHEEL  対訳;ドロシー・ブリトン

月が 柔らかく光り始める
窓の傍で 若いアイリーンが糸を紡ぐ
盲目の祖母は 囲炉裏にかがんで
口ずさみながら うとうとと編んでいる


陽気に 元気に ぶんぶん回る
車が回る 足踏みにより
陽気に 元気に 楽しく響く
乙女の美しい歌声が


「アイリーン 誰かがたたいているよ」
「ばあちゃん 窓にさわる蔦よ」
「アイリーン 誰かが溜息ついた」
「ばあちゃん それはただの秋風よ」


窓の姿は 彼女の恋人
下を向いてささやく
「待ってるよ 腰掛に乗って 窓を跳び越え
月夜の林を歩きましょう」


陽気に 元気に ぶんぶん回る
車が回る 足踏みにより
陽気に 元気に 楽しく響く
乙女の美しい歌声が


乙女が首振る 口に指する
行こうとするが 去りかねる
うとうとの祖母に用心し
片足腰掛に 片足で紡ぐ


軽やかに ゆっくり回る車
ゆっくり 低く響く糸巻き
ひそかに 乙女が窓に登り
恋人の腕に 飛び込む


しだいに のろく回る車
しだいに 低く響く糸巻き
それが止まりきらない そのうちに
月夜の林をさまよう 恋人同士

軽快なメロディに乗って、ナナはその美しく澄んだ唄声を聞かせてくれます。快く楽しいナンバーに仕上がっています。