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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “カラーズ”

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NANA MOUSKOURI “カラーズ”

写真上は、アルバム・タイトル≪UNE SOIREE AVEC NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 885.549/50 FRANCE)の洋盤LPの表面、写真中はLP見開きのスナップ写真、写真下はLP裏面です。本LPは、NANAが1969年1月13日、パリのオランピア劇場で開いた特別コンサートでの模様を収めた実況録音盤です。このコンサートは、ジ・アテニアンズをバックにしてのワンマンショウでしたが、聴衆に深い感銘を与え大成功を収めました。
日本では、≪ベスト・アプローズ/ナナ・ムスクーリオランピア劇場実況録音盤≫(FONTANA FD-9273-4)として発売されています。

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カラーズ

今回は、これらLPに収められている≪カラーズ≫を紹介致します。この歌は、イギリス(スコットランド)のフォーク・シンガーであるドノヴァンのセカンド・シングルで、1965年に発表され英国内でヒット、そのフォーク色により『イギリスのボブ・ディラン』と称される存在となりました。同年に米国へ招かれ、ニューポート・フォーク・フェスティバルに出演し、英国を代表するフォーク・シンガーとして活躍した頃の初期の作品です。
《黄色は、愛する人の髪の色。朝、陽が上がり、私達は目覚める。それは私の一番好きな時間。・・・》と自然と生活の中に見出されるいろいろな色彩の感覚を、美しく描いた一編です。ナナは英語歌詞で、爽やかに唄います。

カラーズ COLOURS

イエローは 私の恋人の髪の色
朝 私達が目覚める時
朝 私達が目覚める時
その時 その時こそ
私は一番好き


ブルーは 空の色
朝 私達が目覚める時
朝 私達が目覚める時
その時 その時こそ
私は大好き


グリーンは きらめくトウモロコシの色
朝 私達が目覚める時
朝 私達が目覚める時
その時 その時こそ
私は大好き


メローは 私が感じるフィーリング
彼と 会う時
彼と 会う時
その時 その時こそ
私は大好き 


フリーダムは めったに使わない言葉
考えること しないで
考えること しないで
ある時を ある時を
恋している時を

清らかな美しい声と、素直なフィーリングを生かした、ナナならではの爽やかな唄声が聞かれます。スタジオ録音では味わえない、会場の雰囲気とノリに乗った好唱が伝わって来ます。

NANA MOUSKOURI “ああ、哀れ、哀れ”

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NANA MOUSKOURI “ああ、哀れ、哀れ”

写真は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ・イギリス民謡名唱集≫(PHILIPS FDX-228 1976 )の邦盤LPの表面です。このLPは、イギリス民謡の名唱集で、自然の美をイギリス各地の田園(ウェールズイングランドアイルランドスコットランド)に求めて、各地の田園の代表的な民謡が収められています。

ああ、哀れ、哀れ

今回は、本LPに収められている≪ああ、哀れ、哀れ≫を紹介致します。この曲は、イングランドの南西サマセット州に伝わる古い民謡で、1900年頃、有名な民謡収集家のセシル・シャープにより採譜された曲とされている。原題の≪O WALY WALY≫はスコッツ語で《ああ、悲しい、悲しい》という意味であるが、スコットランド民謡の≪O WALY WALY≫とは、別の歌と言われている。また、イングランド民謡の≪広い河の岸辺≫(THE WATER IS WIDE)の原題は≪O WALY WALY≫で、ナナが唄う≪O WALY OWLY≫とは歌が類似している箇所もあり、同じ素材の民謡と思われるが、詳細は不明である。ナナは、<愛してくれない人を恋してしまった思いや悲しみ>を、切々と綴って唄います。

ああ、哀れ、哀れ O WALY WALY 対訳;ドロシー・ブリトン

この間 草原で
素敵な派手な花を摘んで
赤や青の花 摘んでた時
恋は こんなものだと思わなかった


樫の木に 背をもたせかけ
頼りになる木だと 思ってたが
曲がって そして折れちゃった
頼りにならない 恋人さ


何故 私が縛られ 彼が自由?
何故 愛してくれない人に惚れたのか?
何故 子供の様にこの私が
悲嘆に暮れさせる人を 愛したのか?


海を行く舟は
荷を 一杯積んでいる
恋で我が胸が もっと一杯
溺れてしまっても 構わない


恋は楽しい 恋は立派なもの
真の恋は 美しい
古くなると 冷たくなり
朝露のように 消えてしまう

アラン・ゴラゲールの編曲・指揮による美しいメロディに乗って、ナナの美声がたっぷりと恋の悲しみの詩情を唄い上げていきます。

NANA MOUSKOURI “カモン・ブルー”

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NANA MOUSKOURI  “カモン・ブルー”

写真は、アルバム・タイトル≪アローン≫PHILIPS 28PP-104 1985)の邦盤LPの裏面です。このLPには、英語歌詞によるヒット曲のほか、トラディショナル・ナンバーからポピュラー・ナンバーまでが含まれており、ナナ・ムスクーリによるフレッシュな演奏を楽しむことができます。1985年のレコーディングで、円熟したナナの魅力があふれたLPに仕上がっています。

カモン・ブルー

今回は、本LPに収められている≪カモン・ブルー≫を紹介致します。この曲は、アメリカ民謡で、ブルー(BLUE)という名の犬のことが唄われております。私の愛するブルーは死んでしまいましたが、ブルーはとてもいい犬でした・・おいで・おいで・ブルー・・。

歌詞の中に出て来るフクロネズミは、ポッサムPossum(オポッサム Opossum)のことでアメリカ大陸に分布し、カンガルーやコアラ等と同様な有袋類の動物、ネズミに似た外見をしていることからフクロネズミと呼ばれています。ナナは、カントリー&ウエスタン調の御機嫌なバックに乗って、小気味良い演唱を繰り広げます。

カモン・ブルー COME ON BLUE

私の犬の名前はブルー

私の犬の名前はブルー

私の犬の名前はブルー

賭けてもいいわよ いい犬なんだから

 

さあ ブルー

なんていい犬なの お前

ここよ ブルー

なんていい犬なの お前

 

ガンをかついで ホルン(警笛)を手に

トウモロコシ畑で フクロネズミを捕まえるのよ

ブルーが吠えるので 駆けつけて見ると

ピーナツの木の中には フクロネズミが居たわ

 

おいで おいで ブルー

なんていい犬なの お前

おいで おいで ブルー

なんていい犬なの

 

タフだったブルーも 死んでしまったわ

家の裏庭で ショックを受けて

銀色のスコップで お墓を掘ったの

クサリと一緒に 埋めたのよ 

 

おいで おいで ブルー

なんていい犬なの お前

おいで おいで ブルー

なんていい犬なの お前

 

私の犬の名前はブルー

私の犬の名前は・・・

 

 おいで おいで ブルー

なんていい犬なの お前

おいで おいで ブルー

なんていい犬なの お前

ナナは、カントリー&ウエスタン・スタイルの軽快な演奏に乗って、イキのよい円熟したフィーリングを聞かせます。

NANA MOUSKOURI “ある美しき朝”

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NANA MOUSKOURI “ある美しき朝”

写真上は、アルバム・タイトル≪NOUVELLES CHANSONS DE LA VIEILLE FRANCE≫PHILIPS 9101 213 1978 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。NANAはフランス民謡を数多く取り上げて唄っておりますが、本LPも素晴らしい選曲によるフランス民謡集に仕上がっております。日本でも同様のLPが、アルバム・タイトル≪恋人たちの詩集≫(PHILIPS FDX-530 1978)として発売されました。

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ある美しき朝

今回は、これらLPに収められている≪ある美しき朝≫を紹介致します。この曲は、中世紀のフランス各地で歌われていた古謡で、よく知られた唄です。フランス各地には、《娘に花束を捧げ、そして、乙女の恋心が目覚める・・・。》といった内容の民謡が各地にありますが、今回の主人公は羊飼いの娘です。ナナは、この可愛らしい素朴な唄を、やさしく語り掛けるように演唱します。

ある美しき朝 UN BEAU MATIN A LA FRAICHE 対訳;鳥取絹子

微風の吹く素敵な朝

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

急いでする仕事もなかった

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

あの人は行きました

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

鉄砲かついで狩猟に

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

ウズラもツグミも居なくなって

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

キジ1羽見付けずに

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

でもあの人が見たのは羊飼いの娘

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

小さな牧場で小羊達と一緒の

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

羊飼いの娘は眠っていました

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

オリーブの木の下で

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

これはスゴイ! でもどうしたら?

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

あの人は娘を起こす勇気はありませんでした

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

あの人はスミレの花を摘み

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

娘の手に渡しました

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

 

花々は生き生きしていたので

アイ、ラ、ラ、なんて新鮮な朝だったでしょう

娘の心は目覚めたの・・・・

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

娘の心は目覚めたの・・・・

アイ、ラ、ラ、うすら寒い朝でした

美しいギターの伴奏に乗って、ナナは伝統豊かな香りある時代の詩情を、淡々とすがすがしく唄います。なんて新鮮な朝だったでしょう・・・・。

NANA MOUSKOURI “糸車”

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NANA MOUSKOURI “糸車”

写真上は、アルバム・タイトルアヴェ・マリア~母と子のアリア≫PHILIPS 28PP-136 1987)の邦盤LPの表面です。このLPは、ナナが過去に録音した民謡とクラシックの名歌18篇が収められたベスト・アルバムです。写真下は、アルバム・タイトル≪SONGS OF THE BRITISH ISLES≫(PHILIPS 9101 024 1976 ENGLAND)の洋盤LPの裏面です。

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糸車

今回は、これらLPに収められている≪糸車≫を紹介致します。この曲は、アイルランドの古謡で、ユニークな物語風の歌です。アイルランドバラードは、悲しい恋を語るものが多いのですが、この曲は、恋人に逢いに行きたい若い娘と、見守り役である祖母とのコミカルな駆け引きが唄われております。ナナの折り目正しい歌唱スタイルに、まさにピッタリの曲です。

糸車 SPINNING WHEEL  対訳;ドロシー・ブリトン

月が 柔らかく光り始める
窓の傍で 若いアイリーンが糸を紡ぐ
盲目の祖母は 囲炉裏にかがんで
口ずさみながら うとうとと編んでいる


陽気に 元気に ぶんぶん回る
車が回る 足踏みにより
陽気に 元気に 楽しく響く
乙女の美しい歌声が


「アイリーン 誰かがたたいているよ」
「ばあちゃん 窓にさわる蔦よ」
「アイリーン 誰かが溜息ついた」
「ばあちゃん それはただの秋風よ」


窓の姿は 彼女の恋人
下を向いてささやく
「待ってるよ 腰掛に乗って 窓を跳び越え
月夜の林を歩きましょう」


陽気に 元気に ぶんぶん回る
車が回る 足踏みにより
陽気に 元気に 楽しく響く
乙女の美しい歌声が


乙女が首振る 口に指する
行こうとするが 去りかねる
うとうとの祖母に用心し
片足腰掛に 片足で紡ぐ


軽やかに ゆっくり回る車
ゆっくり 低く響く糸巻き
ひそかに 乙女が窓に登り
恋人の腕に 飛び込む


しだいに のろく回る車
しだいに 低く響く糸巻き
それが止まりきらない そのうちに
月夜の林をさまよう 恋人同士

軽快なメロディに乗って、ナナはその美しく澄んだ唄声を聞かせてくれます。快く楽しいナンバーに仕上がっています。