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NANA MOUSKOURI “森の中で”

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NANA MOUSKOURI “森の中で”

写真上は、アルバム・タイトル≪JE CHANTE AVEC TOI LIBERTE≫(PHILIPS 6339 295 1981 HOLLAND)の洋盤LPの表面、写真下はLP見開きのスナップ写真です。ナナは1980年代に入ると精力的な活動を開始し、自分の持ち味に合ったアルバムを発表するようになります。このアルバムもヨーロッパの気品を備えたソフト・ヴォーカルを楽しむことが出来ます。日本にては、同様のLPが≪愛は遥か彼方に/愛と喜びの詩≫(PHILIPS 28PP-26 1981)として発売されています。

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森の中で

今回は、本LPに収められている≪森の中で≫を紹介致します。原曲は、ドイツの有名な民謡である<ダイザーツァイトのケインシェーナーランド>(Kein schoner Land in dieser Zeit :この時期にこれほど美しい国はありません)と思われます。ナナが唄うのはピエール・ドラノエとクロード・ルメールがフランス語歌詞を書いた反戦歌で、反戦への願いが綴られております。戦争体験に傷ついているナナは、反戦に対しても特別の想いと願いを込めて唄います。

森の中で LA CLAIRIERE   対訳;鳥取絹子

私の子供の森
もしその真ん中に
光が差し込む
空地があるとしたら
それは戦争のせい
とてもいい場所だったのに


この世は木こりでいっぱい
何百万という木を倒し
ああ 森中が空地になって
死んでいく
木の代わりにそこに咲くのは
墓石たち


息子 木を植えなければ
大地が空地にならないよう
桜草や
スズランが咲けるよう
後悔だけを埋めた
空地にならないよう

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮による神々しい雰囲気が漂う伴奏に乗って、淡々と反戦を語り掛けていきます。