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NANA MOUSKOURI “飛び去った小鳥”

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NANA MOUSKOURI “飛び去った小鳥”

写真上は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/Toi qui t’en vas≫PHILIPS 91O1 015 1975 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下はLP見開きのスナップ写真です。このLPは、1975年にベルギーの首都ブリュッセルにあるモルガン・スタジオにて録音されたもので、今迄に35枚のゴールド・ディスクを受賞しているナナの円熟味豊かな好唱盤です。日本では、同様の邦盤LPが≪立ち去る人/ナナ・ムスクーリ 愛の詩集≫PHILIPS FDX-203 1976)として発売されています。

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飛び去った小鳥

今回は、本LPに収められている≪飛び去った小鳥≫を紹介致します。この曲は、スイスの作曲家・音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズの作品で、原題は≪ヒナ鳥は枝を離れた≫です。<住み家としていた枝を捨てて、世界中を駆け回ったヒナの小鳥が、地の果てで疲れ果ててしまい、誰もいない古巣を探し求めて死んでゆく・・・。>という悲しい物語です。ナナは、民謡調のじつに美しい旋律に乗って、ヒナ鳥の物語を語り掛けていきます。

飛び去った小鳥 L’OISELET A QUITTE SA BRANCHE

ヒナ鳥は住みなれた枝を離れ
広い世界を飛び回り
ヒナ鳥は住みなれた枝を離れ
誰もいない巣をなつかしみ


ヒナ鳥は涙を流し
あの美しい白いアルプスと
あの緑のモミの木
ヒナ鳥は涙を流し
白いアルプスと
緑のモミの木


ヒナ鳥は世界をかけ回り
地の果てまで訪ね
ヒナ鳥は世界をかけ回り
誰もいない巣をなつかしみ


ヒナ鳥は涙を流し
あの美しい白いアルプスと
あの緑のモミの木
ヒナ鳥は涙を流し
白いアルプスと
緑のモミの木


地の果てで疲れ果て
クタクタになったヒナ鳥
地の果てで疲れ果て
死に場所を求めて誰もいないもとの巣へ


ヒナ鳥は死に
白いアルプスと
緑のモミの木のそばで
ヒナ鳥は死に
アルプスと
緑のモミの木のそばで

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮による哀愁漂う伴奏に乗り、ヒナ鳥になって住み慣れた枝を離れて、広い世界を飛び回ります。