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NANA MOUSKOURI “山のアヴェ・マリア”

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NANA MOUSKOURI “山のアヴェ・マリア

写真は、アルバム・タイトル≪ある恋の物語~ラテンの心を唄う/ナナ・ムスクーリPHILIPS PHCA-115 1991)の邦盤CDの表面です。このアルバムは、ラテンのスタンダード・ナンバー集で、お馴染みの名曲にフレッシュなアレンジが施されており、ラテン・ヴォーカルの醍醐味を余すところなく味わうことが出来ます。ナナの情熱を込めてメロディアスに唄い上げる歌声は、ラテン・ナンバーにピッタリで、異国の街を爽やかに流れる風そのものです。

山のアヴェ・マリア

今回は、本CDに収められている≪山のアヴェ・マリアを紹介致します。この曲は、ブラジルの偉大な作曲家であるエリヴェウト・マーティンズの作品です。原題は≪モロのアヴェ・マリア、モロはリオ・デ・ジャネイロの裏山のことで、そこには貧しい黒人達たちの小屋が立ち並んでいますが、一日の終わりに聞こえる夕べの祈りがあります。ナナは、M.Salinaによるスペイン語歌詞で唄います。(永田文夫氏の解説に準拠しました。)

山のアヴェ・マリア AVE MARIA NO MORRO  対訳;永田文夫

リオには 小さくて貧しい
掘立て小屋の 山がある
それはモロ 


それはモロ
ネグロたちの住み家


とてもつつましく
とても不幸せで
礼拝堂さえもなく
祈るためにはテントがあるだけ


アヴェ・マリア・・・アヴェ・マリア
たとえ礼拝堂がなくても
人々は敬虔に祈る “アヴェ・マリア


お祭りになると
小さく貧しい 
掘立て小屋の
山は
先祖伝来の
儀式で祝う


太鼓が鳴り響き
喜びがあふれ 人々は踊り狂う
響き渡る リズムにつれて
伝統のダンスを踊る


アヴェ・マリア・・・アヴェ・マリア
たとえ礼拝堂がなくても
人々は敬虔に祈る “アヴェ・マリア


けれど人々は 
空の近くで
信心深く暮らしている
そして夜が 
そのマントで
掘立て小屋を包み 
平穏をもたらす
一日の終わりに あそこで聞こえる
夕べの祈り “アヴェ・マリア


一日の終わりに あそこで聞こえる
夕べの祈り “アヴェ・マリア


一日の終わりに あそこで聞こえる
夕べの祈り “アヴェ・マリア


一日の終わりに あそこで聞こえる
夕べの祈り “アヴェ・マリア

ナナは、スロー・テンポなサンバのリズムに乗って、貧しいが天国の近くに住んでいる人々の切ない祈りを捧げます。