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NANA MOUSKOURI “別れの唄”

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NANA MOUSKOURI “別れの唄”

写真上は、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ 愛のささやき(DIS-MOI)≫(FONTANA SFX-5069)の邦盤LPの表面で、写真下はNANAのサイン入り裏面です。本LPには、1972年の最新録音の曲を中心に編集されています。歌詞は全てフランス語で、円熟味を増したNANAの演唱を楽しむことが出来ます。

本LPをプロデュースしたNANAの現在の夫であるアンドレ・シャペルは、NANAについて、『一人の女性の声が、歌というものを、これほど微妙なニュアンスで、感情を込めて表現出来る力を持っているとは、全くミステリーとしか言いようがない。』と述べています。アンドレ・シャペルは、当時よりNANAのために沢山の曲をプロデュースしていました。

今回は、本LPに収められている≪別れの唄≫について紹介致します。“別れの唄”は、NANA母国ギリシャの歌で、H・カラインドルーの作品。フランス語歌詞は、ミッシェル・ジュールダンが書き、≪私は、何時かは微笑みながら彼を忘れるでしょう≫といった意味の歌詞になっています。無理に笑顔をつくり、ホホをこわばらせて、悲しみに耐えている切ない女心を唄った、とても愛らしくて悲しい唄なのです。

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別れの唄 JE FINIRAI PAR L’OUBLIER

何もかもが彼を思い出さす
ここにあるもの全てが
私が聞いている歌も
彼が歌っている訳じゃないけど
何でもないことが
私を打ちひしがせる

 

やがては彼を忘れよう 微笑みながら
貴方達 友達なら彼に嘘をついて
彼に会ったら 云ってちょうだい
私は陽気で 元気だって
いるものは何もないって
彼に会ったら 云ってちょうだい
いつもの庭の中で
私が笑っているのが 遠くから聞こえるって

 

彼がまいた全ての種は
今は麦畑になったわ
残念ね 彼がいなくても私は収穫する
彼の人生の一部分を

 

やがては彼を忘れよう 微笑みながら
貴方達 友達なら彼に嘘をついて
もう少したったら彼に云って
大きくなった私達の子供は
もう彼のことを口にもしないって
本当のことを云ってはだめ
彼を忘れるには
一生かかるなんて

NANAの歌声が、努めて陽気にふるまう女性の切ない心境を余す所なく表現し、聞く人の心をうたずにはおきません。伴奏には、アラン・ゴラーゲルの楽団のほか、NANAアテネ時代からの仲間であるジ・アテニアンズも加わり、ジョルジュ・ペチラスのブズーキが活躍してエキゾチックなナンバーに仕上がっています。