NANA MOUSKOURI “アーモンドの木”
写真は、アルバム・タイトル≪私のアテネ/ナナ・ムスクーリ≫(PHILIPS 28PP-5002 1984)の邦盤LPの表面です。このLPは、曲目の全てがギリシャ語で唄われているギリシャの曲であり、ギリシャが母国である彼女の歌の本質と醍醐味を、たっぷりと味合うことが出来るアルバムに仕上がっています。ベテラン歌手の域に達したナナが、初心に立ち戻って祖国の歌をとり上げました。
アーモンドの木
今回は、本LPに収められている≪アーモンドの木≫を紹介致します。この歌は、ギリシャの作曲家であるD.Lavangasの曲に、ギリシャの詩人であるG.Drossinisが歌詞を書いたギリシャの曲です。題名の<アーモンドの木>は、アンズ、モモやウメの仲間で、アーモンドの花は桃の花にそっくりだそうです。ナナは、アーモンドの木にまつわる微笑ましい情景を描いたドロッシニスの世界を、エキゾティシズム漂うギリシャのメロディーに乗って唄います。
アーモンドの木 I AMYGDALIA
彼女は揺する アーモンドの木
彼女は揺する アーモンドの木
その小さな手で 満開のアーモンドの木を揺すった
肩には花びらで一杯
髪にも花びらで一杯
可笑しかったヨ 花まみれの彼女
可笑しかったヨ 花まみれの彼女
優しく語り掛けたヨ 僕は
体についた花びらを手で払って
キスをしちゃったヨ
間違ってるヨ 頭に花を降らそうなんて
間違ってるヨ 頭に花を降らそうなんて
あせらないでおくれ
そのうち大雨の降る日が来るからね
あせらないでおくれ
ナナは、シンプルな味わいのあるバックのギター演奏に乗って、<アーモンドの木>で起こった幼い少女のお話を、ほのぼのとした雰囲気を醸し出して唄います。