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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “初めてのこと”

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NANA MOUSKOURI “初めてのこと”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “DANS LE SOLEIL ET DANS LE VENT”≫(FONTANA 6399 014 1969 FRANCE)の洋盤LPの裏面です。このLPは、1969年に録音された曲で、全ての曲がフランス語歌詞で編集され、メロディーが美しく優れた歌詞の唄が選曲されております。ナナが世界進出を果たし、パリの恋人としての不動の地位を確立した頃の記念すべきアルバムです。日本にては、同様の邦盤LPがNANA MOUSKOURI FIRST ALBAM≫(PHILIPS SFX-7226)として発売されています。

初めてのこと

今回は、本LPに収められている≪初めてのこと≫を紹介致します。この曲の原曲は、スコットランド出身のフォーク・シンガーであるイワン・マッコールが、1957年に当時の恋人であり後に妻となったペギー・シーガーに捧げた作品(The First Time Ever I Saw Your Face)です。この曲を、1969年にロバータ・フラックがデビュー・アルバムに収録≪邦題名:愛は面影の中に≫し、1972年のクリント・イーストウッドの主演監督作品<恐怖のメロディー>に採用されて大ブレークしました。この曲に、エッディ・マルネーがフランス語歌詞を書き、原曲の喜びのラブ・ソングが失意のラブ・ソングに生まれ変わりました。
ナナが唄う原曲の≪はじめて会った時に[THE FIRST TIME EVER(I saw your face)]≫については、以前に当ブログにても紹介しております、是非御覧下さい。

初めてのこと LA PREMIERE FOIS

あの日 初めて
目の前の 二つの瞳を見つめて
不意に分かったの 愛が何処から生まれるか
でもお前は何も言わなかったわね 私の心よ
お前は何も言わなかった


あの日 初めて
胸に置いた手を 心のときめきが打った
初めての恋に なんと若々しかったこと
あの日お前のために祈ったわ 私の心よ
あの日お前のために祈りを捧げたの


私には分かっていた
初めての時が 最後の時だということを
それで天に向って 訴えたかったの
彼がいつまでも愛してくれますように 神様
私をいつまでも愛してくれますように


<初めて>は<おしまい>なの・・・・・・

ナナは、ジ・アテニアンズのコーラスと演奏をバックに、かなわぬ愛への切ない想いを淡々と語り掛けてくれます。

NANA MOUSKOURI “愛の許し”

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NANA MOUSKOURI “愛の許し”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “ALLELUIA”≫PHILIPS 9101 159 1977 FRANCE)の洋盤LPの見開きのスナップ写真です。このアルバムには、ナナの本領を発揮したギリシャの曲をはじめ、シャンソン歌手であるセルジュ・ラマとデュエットした《ハバネラ》を収めた力作となっております。日本では、同様の邦盤LPが、≪愛のハレルヤ/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-345 1978)として発売されています。

愛の許し

今回は、本LPに収められている≪愛の許し≫を紹介致します。この曲は、C・ラムスルが作詞し、作曲は本アルバムの伴奏指揮を担当しているアラン・ゴラゲールによるもので、原題はフランス語で≪許して下さい≫です。愛しい人を熱愛するがあまりに、自分の身も心も燃え尽き冷え切ってしまった、一途な女の愛の唄です。ナナは、心を込めて唄い上げていきます。

愛の許し PARDONNE-MOI

私は来ました
感じやすい心 裸の手で
私は来ました
貴方がもう戻らないから
私は来ました
叫びたい子供のように
悔悟者(カイゴシャ)のように 下を向いて
御免なさい
貴方をこんなに愛し
貴方に夢中になるあまり
身も心も寒くなってしまったことを
御免なさい
貴方にお願いすることを
御免なさい
貴方に夢中なこと


私は来ました
神へ向かう 罪人のように
私は来ました
火に向う 殉教者のように
私は来ました
狂気に向かう 気違いのように
生を望む生まれたばかりの子のように
御免なさい
貴方をこんなに愛し
貴方に夢中になるあまり
身も心も寒くなってしまったことを
御免なさい
貴方にお願いすることを
御免なさい
ただ 貴方を愛してしまったこと

ナナの愛する人を思う切ない彼女の唄声が、静かに深くしみじみと聴く人の心を打たずにはおきません。彼女ならではの個性が光る佳曲です。

NANA MOUSKOURI “二人の間には”

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NANA MOUSKOURI “二人の間には”

写真は、アルバム・タイトル≪UNE SOIREE AVEC NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 885.549/50 FRANCE)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。本LPは、NANAが1969年1月13日、パリのオランピア劇場で開いた特別コンサートでの模様を収めた実況録音盤です。このコンサートは、ナナとジ・アテニアンズとのワンマンショウで、聴衆に深い感銘を与え大成功を収めました。日本では、≪ベスト・アプローズ/ナナ・ムスクーリオランピア劇場実況録音≫(FONTANA FD-9273-4)として発売されています。

二人の間には

今回は、本LPに収められている≪二人の間には≫を、紹介致します。この歌は、ナシュム・ヘイマン(Nachum Heiman)が作曲し、ミッシェル・ジュールダンがフランス語歌詞を書いたもので、原題はフランス語で≪私達二人の間に川がある≫です。フォーク調の親しみやすいメロディーを持った佳曲で、<私達二人の間には、越える事が出来ない河があります。手を取り合うことも出来ず、互いを思う想いが一層つのって行く。冬が来れば・・・。>と、想いが綴られていきます。

二人の間には ENTRE NOUS DEUX LA RIVIERE

二人の間に流れる河は
別々の岸に私達を分けてしまう
古い石の橋もあったのに 朽ちてしまって
今宵はそれもなく
向こう岸から渡って来られない貴方は
不幸せ
独り残された私の悲しい心も
涙の中島
独り残された私の悲しい心も
涙の中島


降るにつけ
照るにつけ
河のほとりで一人
私は鳥をうらやむ
あんなに飛べたなら
わけもなく渡って向こう岸に
朝な夕なに
貴方のふところに行けようものを
朝な夕なに
貴方のふところに行けようものを


泳いで渡るすべを知らぬ二人は
なんと不幸で悲しいことでしょう
冬がめぐって来たならば
河の水も凍ることでしょう
ああその時こそ待ち遠しい
その時こそ 貴方は向こう岸から
私はこちらの岸から 河を歩いて渡って
駆け寄って手を取り合うことが 出来ようものを
私はこちらの岸から 河を歩いて渡って
駆け寄って手を取り合うことが 出来ようものを

ジ・アテニアンズの演奏をバックに、ナナの素直なフィーリングの演唱にも豊かな詩情が漂っています。

NANA MOUSKOURI “恋人たちのために”

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NANA MOUSKOURI “恋人たちのために”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/VIVRE AVEC TOI≫(GRAND RECORDS GLP80004 1980 CANADA)の洋盤LPの裏面です。このLPは、有名曲とオリジナル曲がバランス良く配分され、ナナの透明感溢れる唄声に、美しい旋律が輝きを増すアルバムとなっております。国際的な歌手としての実績が余裕と貫録を感じさせるLPです。日本にては、アルバム・タイトル≪愛のひととき/ナナ・ムスクーリPHILIPS 28PP-8 1980)として発売されています。

恋人たちのために

今回は、本LPに収められている≪恋人たちのために≫を紹介致します。この曲の原曲は、メキシコ歌曲の≪ラ・ゴンドリーナ≫[LA GOLONDRINA;スペイン語で燕(つばめ)]で、メキシコ出身の医師であったナルシソ・セラデル・セビージャが作曲しました。この曲を、J.Johnsが編曲し、ミッシェル・ジュールダンがフランス語歌詞を書き、もともとの<望郷の唄>が<優しさと力強さを持った恋人達の祈りの唄>となりました。
ナナが唄う≪ラ・ゴンドリーナ≫については、以前に当ブログにても紹介しております、御覧下さい。

恋人たちのために POUR TOUS LES AMOUREUX

幸せな恋人達すべてのための 歌
息づく心と目で 書かれた 歌
二人で生きていきたいという 強い気持ち
それを味わったことのある人のための 歌
望みがかなえられますように と
お互いに言い合う人達のため
希望はきっと大きくなってくれるはず
二人の祈り 浜辺の太陽
恋人達すべてのための バラード


恋人達すべてのための 歌
涙も 不幸も 別離も知った
私達の恋の行方を歌う 歌
まだまだ 希望があふれている
望みがかなえられますように と
悲しんでいる人達のため
希望はきっと大きくなってくれるはず
恋人達すべてのための 私達のため
このバラードは 神様からの贈り物


ほら 貴方の目にもバラードが・・・・・

ナナの爽やかな唄声が、軽やかなギリシャの民族楽器であるブズーキの哀愁のあるメロディーに乗って、恋人達の想いを語り掛けてくれます。

NANA MOUSKOURI “波の彼方に”

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NANA MOUSKOURI “波の彼方に”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “Quand tu chantes”≫(PHILIPS 9101 093 1976 CANADA)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。このアルバムは、1976年の録音で、ナナのさりげない素直なフィーリングの中に、彼女ならではのユニークな個性が発揮されています。日本にては、同様の邦盤LPが≪青空の恋人≫PHILIPS FDX-309 1977)として発売されています。

波の彼方に

今回は、本LPに収められている≪波の彼方に≫を紹介致します。この曲は、クロード・ルメールが作詞し、作曲はこの曲の伴奏指揮を担当しているアラン・ゴラゲールです。雄大で揺るぎない大海原の姿を描きながら、あくせくして生活している人間社会のあり様に批判を加えた一編です。<大海原はいつものまま、急がずにゆっくりと、いつまでも限りがない。・・・>

波の彼方に L’OCEAN

そう 大海原はいつものまま
大海原は限りがない
そして 大海原は
大陸や船を回す・・・
貴方は蟻
ちっぽけな人間
貴方は陸に住む者
なんでもないただの者
でも 貴方は生き
やたら一生懸命になっている
これ以上 突進することは出来ないわ
そして 貴方の家や 貴方の考え
貴方の歌は
すべて急いでいる


大海原はいつものまま
急がずにゆっくりと
いつまでも限りがない
私達のそば
休息の大陸は
大騒ぎの中で
ハンマーや現場監督
警報の叫びなどが
貴方を息苦しくさせている
ヒステリックな車の中の 洪水の中で
郊外道路が 殺到している中で
貴方は自分で 自分を殺している
そして毎年
自分で 自分を馬鹿にして
人生を台無しにしている


でも 大海原はいつものまま
身を守り 譲らない
大海原 大陸 そして巨人

 
大海原はいつものまま
大海原は限りがない
そして 大海原は
大陸や船を回す・・・


大海原はいつものまま
急がずにゆっくりと
いつまでも限りがない

ナナは、コーラスや一人二重唱をまじえ、のびのびとした演唱を聞かせます。アラン・ゴラゲールの効果的な伴奏が、ナナの演唱を引き立たせています。