Sound Gallery ブログ

吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “窓”

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NANA MOUSKOURI “窓”

写真上は、アルバム・タイトル≪ベスト・アプローズ/ナナ・ムスクーリオランピア劇場実況録音盤≫(FONTANA FD-9273-4)の邦盤LPの表面です。1969年1月13日、NANAはパリのオランピア劇場で、ジ・アテニアンズをバックにワンマンショーを開き、大成功を収めました。スタジオ録音では味わえないステージでの歌唱を楽しむことが出来るアルバムです。写真下は、洋盤EP(nana mouskouri FONTANA 460.245 ME 1967 FRANCE)の表面で、ナナの初期の頃のヒット曲4曲が収められています。

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今回は、これらレコードに収められている≪窓≫を紹介致します。この曲は、ギリシャの作曲家であるミミス・プレサス(Mimis Plessas)の作品(原題;To parathiri;窓)です。ナナは、原曲であるギリシャ語歌詞のほか、英語歌詞(英題;LONG DAYS DYING)でも唄っておりますが、今回はフランク・ジュラールによるフランス語歌詞により、<乙女の恋への憧れと期待>を《窓》にたとえて、美しい歌声で唄います。

窓 LA FENETRE

風かしら それとも 鳥かしら
私の窓を叩くのは
風かしら それとも 鳥かしら
でもひょっとして 私の心の響きかしら


もし鳥ならば 入って来て私に唄を
聴かせてくれているのなら・・・・
いいえ そうではなくて風がバラの香のように
静かに入り込んで 私に逢いに来てくれたのなら・・・・


でも鳥でもなく 風でもなくて
恋人だったら・・・・
こう云って 窓を閉めよう
“もう遅すぎるから・・・・”と

ナナは、ジョルジュ・ペツィラスのギター演奏をバックに、若い頃の溌剌とした歌声で唄います。乙女の想いが心の底までしみわたって来ます。

NANA MOUSKOURI “王様は太鼓を打てと命令した”

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NANA MOUSKOURI “王様は太鼓を打てと命令した”

本年も、どうぞよろしくお願い致します!
写真は、アルバム・タイトル≪VIEILLES CHANSONS DE FRANCE/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6499 631 1973 FRANCE)の洋盤LPの表面です。このアルバムには、フランスの古い読み人知らずの民謡曲が多く集められており、現代に伝えられた文化資産といえます。外国の歌手であるナナがフランスの民謡に挑み、見事な成功を収めた記念すべきアルバムです。日本にても同様なLPがアルバム・タイトル≪桜んぼの実る頃/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5094 1974)として発売されています。

王様は太鼓を打てと命令した

今回は、本LPに収められている≪王様は太鼓を打てと命令した≫を紹介致します。この曲は、名高いフランス民謡(フランス国王だったアンリ4世がモデルとされています。)で、エディット・ピアフをはじめ、イブ・モンタン、マリー・ラフォーレなど、多くの歌手により取り上げられております。歌詞には様々なバージョンがあるようで、ナナはトラディショナル・バージョンを現代風に軽やかに唄っております。〈王様が侯爵に元師の位を与えて、彼の美しい夫人を自分のものにします。すると嫉妬したお妃が、彼女に花束を贈り、その香りで殺してしまう・・・・。〉という内容の歌詞で、愛人問題を巡る王様に対する庶民の風刺が綴られております。

王様は太鼓を打てと命令した LE ROI A FAIT BATTRE TAMBOUR

王様は太鼓を叩かせた(x2)
美しい女性を見るために
最初に見た女性が
王の心を捉えた(x2)


侯爵 彼女が誰だか知っているか?(x2)
あの美しい女性を
侯爵は答えた
王様 あれは私の妻です(x2)


侯爵 お前は私より幸せな人だ(x2)
こんなに美しい妻を持って
もし 貴方が私に同意するなら
彼女の面倒をみるが・・・・(x2)


もし貴方が王様で無いなら(x2)
復讐しているところだが
貴方は王様だ
従うしかない(x2)


侯爵 怒るなよ(x2)
褒美をやるから
私の軍隊の
元師にしてやるから(x2)


さようなら愛する人 さようなら私の心(x2)
さようなら私の夢
王様に従わなければならないなら
お別れしましょう(x2)


王妃は美しい百合で(x2)
花束を作らせた
しかし その花束の香りで
侯爵夫人は死んだ(x2)

ナナは、ジョルジュ・ペツィラスのリズミカルなアレンジによるジ・アテニアンズの伴奏をバックに、現代的な感覚に溢れた好唱を聞かせてくれます。

NANA MOUSKOURI “山で告げよ”

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NANA MOUSKOURI “山で告げよ”

写真上は、アルバム・タイトル≪CHRISTMAS WITH NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6312 003 1972 HOLLAND)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。本LPは、NANAが要望に応じて1972年に発表したクリスマス・アルバムです。期待にたがわぬ素晴らしい出来栄えで、クリスマス・ソングの決定版といえるアルバムです。日本にては、同様の邦盤LPが、ナナ・ムスクーリ/クリスマス・アルバム≫(FONTANA SFX-5086 1973)として発売されています。

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山で告げよ

今回は、本LPに収められている≪山で告げよ≫を紹介致します。この曲は、もともとは古い黒人霊歌でしたが、キリスト誕生の喜びが唄われていることから、現在ではポピュラーなクリスマス・キャロルの一つとなり、多くのフォーク・シンガーやグループにより取り上げられています。リフレインの歌詞はほぼ同じ内容ですが、その他の歌詞は自由に変えて唄われております。〈山に行って告げよ、丘の彼方に告げよ。イエス様がお生まれになったのだ。・・・・〉と、キリスト降誕の喜びが綴られております。

山で告げよ GO TELL IT ON THE MOUNTAIN

山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を


山に登りて告げよ
丘を越え 全ての地に
山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を


貧しき飼葉桶の片隅に
清きキリストは生まれた
神は救世主を送りたもうたのだ
我らがイエス・キリスト
ハレルヤ!


山に登りて告げよ
丘を越え 全ての地に
山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を


羊飼い達は 夜の静けさに
耐えながら番をする
きらめく夜空に
一条の聖なる光
ハレルヤ!


山に登りて告げよ
丘を越え 全ての地に
山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を


貧しき飼葉桶の片隅に
清きキリストは生まれた
神は救世主を送りたもうたのだ
我らがイエス・キリスト
ハレルヤ!


山に登りて告げよ
丘を越え 全ての地に
山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を


山に登りて告げよ
丘を越え 全ての地に
山に登りて告げよ
イエス・キリストの誕生を

ナナは、ジョルジュ・ペツィラスのアレンジによるジ・アテニアンズの伴奏をバックに、キリスト誕生の喜びを颯爽と唄います。

本年最後のブログとなりますが、来年も出来る限りナナ・ムスクーリに関する記事を書いていければと思っております。よろしくお願い致します。

NANA MOUSKOURI “愛は星空の彼方へ”

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NANA MOUSKOURI “愛は星空の彼方へ”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/MES PLUS BELLES CHANSONS GRECQUES≫(FONTANA 6399 020 1963 FRANCE≫の洋盤LPの表面です。本LPは、ナナがその本領を発揮した、記念すべき素晴らしいアルバムです。彼女が唄うのは生まれ故郷のギリシャの歌で、しかも作曲者はギリシャの2大作曲家であるマノス・ハジダキスとミキス・テオドラキスの作品が収められています。日本では、同様の邦盤LPが、ナナ・ムスクーリギリシャを歌う》(FONTANA SFX-60004 1974)・(PHILIPS FDX-378 1978)として発売されています。

愛は星空の彼方へ

今回は、本LPに収められている≪愛は星空の彼方へ≫を紹介致します。この曲は、ナナの恩師であるマノス・ハジダキスの作品です。マノス・ハジダキスは、独学で作詞・作曲を身に着け、ギリシャ音楽大学で教鞭をとるかたわら、1950年代から映画音楽を手掛け、ギリシャのポピュラーソング<レベティコ>の振興に努めました。1958年にナナと知り合い、以降、彼女に幾つもの作品を提供、彼女の成功に力を貸して<育ての親>となりました。ナナは、《乙女の愛への祈り》の歌を、心を込めて清らかに演唱します。

愛は星空の彼方へ KAPOU IPARHI AGAPI MOU

春はもう何処へ?
そして 花が一杯の庭は?
夜は私を悩ませる
男の子が 何か言った時
そして 誰かが私に今晩わって
でも私は何も云いたくない


何処かにいる 私の愛
何処かにいる 私の愛
でも何処だか私には解らない
ただ星を見つめるだけ
何時か 私がそれ(私の愛)を見つけたら
私は 白いドレスを着るでしょう


何時か 私がそれ(私の愛)を見つけたら
私は 白いドレスを着るでしょう

ナナは、ギリシャの香りがするエキゾティシズムの漂うメロディーに乗って、≪愛≫を探し求める乙女の切ない祈りを囁きます。

NANA MOUSKOURI “冷えた心”

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NANA MOUSKOURI “冷えた心”

写真は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI/VIVRE AVEC TOI≫(GRAND RECORDS GLP80004 1980 CANADA)の洋盤LPの表面です。このLPは、有名曲とオリジナル曲がバランス良く配分され、ナナの透明感溢れる唄声に、美しい旋律が輝きを増すアルバムとなっております。国際的な歌手としての実績が、余裕と貫録を感じさせるLPです。日本にては、同様の邦盤LPが≪愛のひととき/ナナ・ムスクーリPHILIPS 28PP-8 1980)として発売されています。

冷えた心

今回は、本LPに収められている≪冷えた心≫を紹介致します。1980年のアメリカ映画《アーバン・カウボーイ》(Urban Cowboy)で、リンダ・ロンシュタットJ.D.サウザーによるデュエットでの挿入歌です。この曲は、アメリカのシンガーソングライターで、ソロアーティストとして活躍する傍らイーグルス等に楽曲提供を行って来たJ.D.サウザーの作品<Hearts Against The Wind>(風の恋人たち)です。この曲に合わせて、クロード・ルメール、ピエール・ドラノエがフランス語歌詞を書いた<失意の歌>です。冷えた心のゆえに、素敵な夜を夢見る乙女の想いを、ナナが綴っていきます。

冷えた心 COEUR BRISE

傷ついた心 壊れた愛
元通りにはなりません
過ぎ去った冬を前に
私の喜びの炎は 消えました


何時でも 何処でも
私の心は 熱かった
何時でも 何処でも
私の肌は 冷たい
だから 今夜は
素敵な夜を 夢見ます


何時でも 何処でも
私の心は 熱かった
何時でも 何処でも
私の肌は 冷たい
だから 今夜は
素敵な夜を 夢見ます

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮によるスローなウエスタン調の伴奏に乗って、乙女の傷ついた心情を、さりげなく淡々と語り掛けていきます。