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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “気持ちよい風”

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NANA MOUSKOURI “気持ちよい風”

写真上は、アルバム・タイトル≪VIEILLES CHANSONS DE FRANCE/NANA MOUSKOURI≫(FONTANA 6499 631 1973 FRANCE)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。このアルバムには、フランスの古い読み人知らずの民謡曲が多く集められており、現代に伝えられた文化遺産といえます。外国の歌手であるナナがフランスの民謡に挑み、見事な成功を収めた記念すべきアルバムです。日本にても同様なLPがアルバム・タイトル≪桜んぼの実る頃/ナナ・ムスクーリ(FONTANA SFX-5094 1974)として発売されています。

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気持ちよい風

今回は、本LPに収められている≪気持ちよい風≫を紹介致します。この曲は、フランスに古くから伝わるトラディショナル・ソング(民謡・童謡)です。マリー・ラフォーレなどが歌っておりますが、色々なバージョンがあるようです。気持ちのよい風に吹かれて、水浴びに来たアヒルと狩りをする王子の姿が、牧歌調のメロディーに乗せて描かれています。フランス語圏の各地には〈狩りをする王子とアヒルにまつわる民謡〉が数あるようで、ナナは<狩りにやって来た王子が、銀の銃で白いアヒルを殺してしまう。>という悲しいお話を綴っていきます。

気持ちよい風 V’LA L’BON VENT

私の家の裏手に 池がある
私の家の裏手に 池がある
三羽の美しいアヒルが 水浴びしながら行く


三羽の美しいアヒルが 水浴びしながら行く
三羽の美しいアヒルが 水浴びしながら行く
黒いアヒルが二羽 白いアヒルが一羽


ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる
ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる


黒いアヒルが二羽 白いアヒルが一羽
黒いアヒルが二羽 白いアヒルが一羽
王の息子が 狩りをしながら行く


王の息子が 狩りをしながら行く
王の息子が 狩りをしながら行く
大きな銀色の銃を持って


ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる
ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる


大きな銀色の銃を持って
大きな銀色の銃を持って
私の白いアヒルを殺してしまうとは


私の白いアヒルを殺してしまうとは
私の白いアヒルを殺してしまうとは
おお王の息子よ お前は悪い奴だ


ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる
ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる


おお王の息子よ お前は悪い奴だ
おお王の息子よ お前は悪い奴だ
私の白いアヒルを殺してしまうとは


ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる
ほら気持ちよい風 ほら素敵な風
ほら気持ちよい風 友が私を呼んでいる

ナナは、ジョルジュ・ペツィラス編曲によるジ・アテニアンズの心地良い伴奏に乗って、哀愁の漂う美しい演唱を聴かせてくれます。  

NANA MOUSKOURI “いつも心を”

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NANA MOUSKOURI “いつも心を”

写真上は、アルバム・タイトル≪パリの恋人/ナナ・ムスクーリ ファーストアルバム≫NANA MOUSKOURI FIRST ALBAM>(PHILIPS SFX-7226)の邦盤LPの表面です。このLPは、全ての曲がフランス語歌詞で編集されており、メロディーが美しく優れた歌詞の歌が選曲されています。写真下は、洋盤EP(nana FONTANA 460 262 ME 1968 FRANCE)の表面で、ナナの初期の頃のヒット曲4曲が収められています。

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いつも心を

今回は、これらレコードに収められている≪いつも心を≫を紹介致します。この曲は、アメリカのカントリーシンガー・ソングライターとして息の長い活躍を続けたメル・ティリス(Mel Tillis)の作品(Ruby, Don’t Take Your Love To Town)で、ケニー・ロジャーズが唄いました。この曲に、ボリス・ベルグマン(Boris Bergman)がフランス語歌詞をつけもので、兵役から戻った彼を置いて出ていく彼女(ルビー)に、《心だけは残して》と綴られております。

いつも心を RUBY, GARDE TON COEUR ICI 対訳;蒲田耕二

彼女は髪を結い上げる
それから爪の手入れもする
ルビーはまもなく街を出る
彼の方は 自分の殻に閉じこもる
壁に濃くなる影が 彼等に告げている
「朝日がどんどん昇ってゆくよ」と
おおルビー せめて心は残しておくれ


お前は知っているはずよ
彼が何も望んで戦に出たんじゃないこと
それに帰って来たんだから
昔のように 腕を広げて迎えておやりよ
彼が少々変わったからといって
お前の人生に 男なんか用はないというの
おおルビー 心はここに繋いでおゆき


何もかもがおしゃかになった者にとって
男を愛するのが辛いこと 私だって知っている
でも辛抱するのよ そしたら分かる
すべてがうまく収まるわ
お前と同じに 私も長く待たされた
そして出ていってしまったの
おおルビー 心だけは残しておくものよ


ルビーは行っちゃった
色を変える空を 彼は見上げる
彼の胸の内が既に
何百回となく変わったように
私には分かるのだけれど 彼はきっと
お前の命を奪うかも知れないわ
ルビー 心だけは残しておゆき
ルビー 心だけは残しておゆき

ナナは、クリスチャン・シュバリエ楽団による軽妙な伴奏に乗って、去り行くルビーに願いを込めて語り掛けていきます。

 

NANA MOUSKOURI “二人のきずな”

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NANA MOUSKOURI “二人のきずな”

写真は、アルバム・タイトル≪QUE JE SOIS UN ANGE≫(PHILIPS 9101 007 1974 FRANCE)の洋盤LP見開きのスナップ写真です。このLPは、フランス語歌詞を中心に、オリジナル・ナンバーのほか、国際色豊かなイギリス、アメリカ、ドイツ等の曲を取り上げ、親しみやすい演唱を繰り広げています。日本では同様の邦盤LPが、アルバム・タイトルナナ・ムスクーリ/夢がある限り≫(FONTANA FDX-133 1975)として発売されています。

二人のきずな

今回は、本LPに収められている≪二人のきずな≫を紹介致します。この曲は、フランスの作詞・作曲家であり、舞台公演を主に歌手活動を続けているマリー=ポール・ベル(Marie-Paule Belle)の曲に、ナナとも親交が深いボリス・バークマン(Boris Bergman)が歌詞を書いた≪別れてもなお二人を結びつける愛の歌≫です。ナナは、二人の愛の絆を淡々と綴っていきます。

二人のきずな NOUS NE SERONS JAMAIS PLUS SEULS

二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
道の真ん中で
二人を巡り合わせて下さった
天に感謝しましょう


二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
今 この日から もう決して 一人ではなく
お互いのためにいることを
誓いましょう


私達は 何も言わず
苦しみから離れ
さらによい地を求めて別れました
すべてを隠し
秘密にしてくれた
この世に口付けします


二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
一つのおおいの中で一緒になって
今のように 夢見ながら 
お互い寄り添う私達
寄り添って・・・・・


二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
今 この日から もう決して 一人ではなく
お互いのためにいることを
誓いましょう


私達は 何も言わず
苦しみから離れ
さらによい地を求めて別れました
すべてを隠し
秘密にしてくれた
この世に口付けします


二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
貴方の人生 そして私の人生
私の心は 貴方の心について行きます
動く 止まる そして止まる・・・・・


二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
二人はもう決して一人ぽっちじゃないでしょう
私の友といえば
鏡と一本のタバコでしかなかった日々は
もう遠くなりました・・・・・

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮による哀愁漂う伴奏に乗って、〈二人の愛の絆の歌〉を巧みなフィーリングで唄っていきます。

NANA MOUSKOURI “子守唄”

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NANA MOUSKOURI “子守唄”

写真上は、アルバム・タイトルアヴェ・マリア~母と子のアリア≫PHILIPS 28PP-136 1987)の邦盤LPの表面、写真下はその裏面です。このLPは、ナナが過去に録音したイギリス、フランス、スペインの民謡と古くから伝わるクラシカル・アリアの名歌18篇が収められたベスト・アルバムです。暖かく澄みわたるナナの名唱が、やすらぎと愛を伝えてくれます。

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子守唄

今回は、本LPに収められている≪子守唄≫を紹介致します。この曲は、イギリスのウェールズ地方に伝わる民謡(子守唄)で、ウェールズ語の歌詞は民族学者であったロバート・ブライアンが1904年に付けたもので、クリスマス・ソングとしても唄われるそうです。原題のシオ・ガーン(SUO GAN)はウェールズ語≪子守唄≫のこと、日本では≪ウェールズ地方の子守唄≫として知られています。ナナは、最初に歌詞の第1節をウェールズ語の原詩で、次に翻訳の英語歌詞で、《愛しい我が子に対する一途な想い》を唄っております。

子守唄 LULLABY “SUO GAN” 対訳;ドロシー・ブリトン

ママの胸で眠れ 坊や
心地よくて 暖かい
抱き締めるのは ママの腕よ
ママの愛は まことの愛
誰もお前を邪魔しない
眠りを乱すこともない
静かに眠れ 愛しい子よ
ママの優しい胸の上で


ママの胸で眠れ 坊や
心地よくて 暖かい
抱き締めるのは ママの腕よ
ママの愛は まことの愛
誰もお前を邪魔しない 
眠りを乱すこともない
静かに眠れ 愛しい子よ
ママの優しい胸の上で

ナナは、アラン・ゴラゲール編曲・指揮による美しいメロディーの伴奏に乗って、坊やに「安心してお休みなさい」と優しく語り掛けます。

NANA MOUSKOURI “プレリュード”

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NANA MOUSKOURI “プレリュード”

写真上は、アルバム・タイトルBRITISH CONCERT≫(FONTANA 6651 003 1972 HOLLAND)の洋盤LPの表面で、写真下はその裏面です。本コンサートでの実況録音のデータが揃っていないため詳細は不明ですが、イギリスのニュー・キャッスル、シェフィールド、ポーツマスでのコンサートの模様が収録されております。ナナのイギリスにおける人気の程が、会場一杯の拍手喝采に現れております。日本にては、同様な邦盤LPが、BRITISH CONCERT≫(FONTANA SFL-9108~9 1972)として発売されています。

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プレリュード

今回は、本LPに収められている≪プレリュード≫を紹介致します。この曲は、クインシー・ジョーンズらのバック・ヴォーカリストとして活躍していたバーバラ・マッセイ(Barbara Massey)と、ギタリストであったアーニー・カラブリア(Ernie Calabria)の共作になる作品で、《乙女の愛への予感を感じさせる前奏曲》が淡々と綴られております。ナナは、原曲である英語歌詞のほか、エディ・マーネイ(E.Marnay)によるフランス語歌詞(仏題;L’etranger)にても唄っております。

プレリュード PRELUDE

柳を吹き抜ける風の 心地よいハミングとその優しい歌
夜明けの囁きのような その肌触り
私の心を素直にするのは 草の葉なのかしら
それは自然なことなのかしら


朝の光りを全身にいっぱい浴びて
朝の始まり こんなにあたりが新鮮なの
私の顔にふりかかる 静かな光と空気
目を閉じ 一日の始まりの音に耳をそばだてるの


私の周りに 暖かい愛の息吹
私を愛撫する 優しいそよ風のため息
光り輝く空
さらさら流れる小川のせせらぎ
下を見る私 
私の中には愛の誕生
誰かを愛したいという心持ち


こうこうと輝く月
満ちたりて 夜の涼しさに抱かれて 眠るわ
私には分かるの 私を待っていることが 
恋人が腕を一杯広げて
明日に続く 希望がわくの
心の望むものが分かるから
夜明けまで目を閉じて
夜明けまで

ナナは、ジ・アテニアンズの哀愁漂うギター演奏とコーラスをバックに、愛のプレリュード(前奏曲)を優しく語り掛けます。初期の頃の若い唄声が、快く楽しいナンバーです。