NANA MOUSKOURI “時の流れを誰が知る”
写真上は、アルバム・タイトル≪NANA MOUSKOURI AT THE ALBERT HALL≫(PHILIPS 9101 006 1975? CANADA)の洋盤LPの表面、写真下はその裏面です。1974年5月17日、ナナ・ムスクーリはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールに出演し、大成功を収めました。ムスクーリは何度もイギリスを訪れておりますが、今回のコンサート・ツアーは最もサクセスフルなものであったと報じられております。(以前に当ブログにて紹介しましたが、日本にても同様の邦盤LPが、FONTANAよりFDX-162として発売されています。尚、邦盤LPの解説では、アルバ-ト・ホールの出演日は、1974年11月18日で紹介されています。)
時の流れを誰が知る
今回は、本LPに収められている≪時の流れを誰が知る≫を紹介いたします。この曲は、イギリスのフォーク・シンガーであるサンディ・デニーが1967年頃に作った名曲です。彼女の出世作ともいうべきこの歌は、当時彼女が所属していたグループ、フェアポート・コンヴェンションによってヒットし、ジュディー・コリンズらにも取り上げられました。ムスクーリもこの名曲を、ジ・アテニアンズをバックに美しい歌声を聞かせます。
時の流れを誰が知る WHO KNOWS WHERE THE TIME GOES
深い紅い色の空を
すべての鳥が 飛び去って行くけれど
鳥達は どうしてそれが去る時だと
知ることが出来るのでしょう
冬の苦難を前にして
それでも 私達はまだ夢見るでしょう
私には時がどういうものか判らない
けれど 時が何処へ行くのか誰が知るのでしょう
時が何処へ行くのか誰が知るのでしょう
人気のない寂しい海辺
気まぐれな友が去っていき
ああ そこで初めて
それは 彼等にとって去る時だということが解るのです
そして 私はまだそこに居るでしょう
私には去るということが解らない
私は時を数えない
なぜなら 時が何処へ行くのか誰が知るのでしょう
時が何処へ行くのか誰が知るのでしょう
そして恋人がそばにいる限り
私は一人じゃない
別れの時が来るまで
私はそうだと知っています
冬の嵐も来てごらん!
そして それから再び春の鳥
私は時を恐れない
なぜなら 私の愛がどう育つのか誰が知るのでしょう
時が何処へ行くのか誰が知るのでしょう
流れゆく時を、うつろいゆく人生を、NANAは切々と唄いあげていきます。サンディ・デニーは、1978年に不慮の事故で31歳の若さで亡くなりましたが、この曲に人生への想いが込められていました。