NANA MOUSKOURI “想い出への便り”
写真上は、アルバム・タイトル≪au THEATRE DES CHAMPS-ELYSEES ≫（FONTANA 6325 327 1974 FRANCE）の洋盤ＬＰの表面で、写真下はその裏面です。このアルバムは、1973 年12月にパリのテアトル・デ・シャンゼリゼで行われた、リサイタルのライブ・レコーディングです。本ＬＰには、伝統を誇るシャンゼリゼ劇場で繰り広げられた演奏の模様が生き生きと捉えられています。日本では、同様の邦盤ＬＰが、≪シャンゼリゼ劇場のナナ・ムスクーリ≫（FONTANA SFX-5155 1974）として発売されています。
想い出への便り
今回は、本ＬＰに収められている≪想い出への便り≫を紹介致します。原曲は、アメリカのソングライターであるGLORIA SKLEROVとHARRY LLOYDの作品です。ナナが唄うのはミッシェル・ジュールダンがフランス語歌詞を書いたもので、仏題は≪私の愛・私の子供≫です。五年ぶりに別れた彼のところへ遊びに行く我が子を、優しく送り出す女心が綴られております。ナナは、〈坊や、早く帰って来るのよ。私には坊やしかいないから。〉と、我が子に対する愛情を切々と唄い、私達の涙を誘います。
想い出への便り MON AMOUR,MON ENFANT
たくさん着て行くのよ 風邪をひかぬように
坊や あなたは出掛けて行くのね
あなたに生命を与えてくれた
あの人のところへ遊びに
もう五年が経った
あなたは彼を知らないでしょう
けれどわかるわ
彼の腕に抱かれれば
彼はきっとあなたに色々尋ねるわ
話してあげて あなたの知っていることを
それから二人で 走り回るのね
青い波の中を
二人でうんと遊びなさい
そして夜がやって来たら
くたびれてあなたは眠るのね
彼の腕の中で
帰って来たら 教えて頂戴
彼がどんな生活をしてるか どんなふうか
早く帰って来て 私には坊やしかいないから
あなたしか
たくさん着て行くのよ 風邪をひかぬように
坊や あなたは出掛けて行くのね
私が与えた全ての愛と
同じ愛を あなたに与えた人に会いに
あなたの笑いと目は彼のに似てる
あなたの中に 彼を見るよう
出掛ける前に あなたの腕で
私を抱いてちょうだい
帰って来たら 教えて頂戴
彼がどんな生活をしているか どんなふうか
早く帰って来て 私には坊やしかいないから
あなたしか
たくさん着て行くのよ 風邪をひかぬように
もう遅くなるわよ
さあマフラーをして 雪が降るから
もちろん私は待ってるわ
早く帰って来るわね
悲しそうな顔をしないでね
すぐに帰ってくるんだから
坊や
坊や
坊や
ナナは、クリスチャン・シュバリエ指揮による伴奏とジ・アテニアンズをバックに、坊やに愛情深く語り掛けていきます。
