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NANA MOUSKOURI “おとぎ話のように”

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NANA MOUSKOURI “おとぎ話のように”

写真上は、アルバム・タイトルNANA MOUSKOURI “Quand tu chantes”≫PHILIPS 9101 093 1976 CANADA)の洋盤LPの表面で、写真下はLP見開きのスナップ写真です。このアルバムは、1976年の録音で、ヒット・パレードを賑わした曲だけでなく、<知られざる>名曲を厳選して取り上げております。ナナのさりげない素直なフィーリングの中に、彼女ならではのユニークな個性が発揮されています。日本にては、同様の邦盤LPが《青空の恋人/ナナ・ムスクーリPHILIPS FDX-309 1977)として発売されています。

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おとぎ話のように

今回は、本LPに収められている≪おとぎ話のように≫を紹介致します。この曲は、ナナの恩人であるギリシャの作曲家マノス・ハジダキスの作品です。マノスは、1958年にナナと知り合い、以降、彼女に幾つもの作品を提供、彼女の成功に力を貸して<育ての親>となりました。作詞は、ギリシャの詩人であり翻訳者・叙情詩人でもあるニコス・ガトソス(Nikos Gatsos)で、マノス・ハジダキスやナナとも親密な関係にありました。ナナは、昔々の〈おとぎ話〉を母国のギリシャ語で情緒豊かに唄います。

おとぎ話のように MIA FORA KI ENAN KAIRO

昔々
そう おとぎ話のように昔々
私は真実を求めて
夢を追っていました
太陽のように輝きたいと・・・・
でも真実は誰も知りません
ああ何故
きっと 心が閉じていたのでしょうか?


昔々
通りすがりの一人のエンジェルが
広い海岸に
彼女の名前を書きました
でも強い風が吹き去って・・・・
彼女は誰?
ああ何故
きらめきは消えるのでしょう


昔々
炎の中で苦しみました
私は彼女を
赤い点にしたようです
でも夏が過ぎる前
彼女を見た人は誰もいない
ああ何故
トニー 貴方は忘れっぽいの?

ナナは、アラン・ゴラゲール指揮のギリシャ色漂う伴奏に乗って、昔々の〈おとぎ話〉の物語を愛情深く細やかに唄います。