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NANA MOUSKOURI “シボネー”

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NANA MOUSKOURI “シボネー”

写真は、アルバム・タイトル≪ある恋の物語~ラテンの心を唄う/ナナ・ムスクーリPHILIPS PHCA-115 1991)の邦盤CDの表面です。このアルバムは、ラテンのスタンダード・ナンバー集で、お馴染みの名曲にフレッシュなアレンジが施されており、ラテン・ヴォーカルの醍醐味を余すところなく味わうことが出来ます。ナナの情熱を込めてメロディアスに唄い上げる歌声は、ラテン・ナンバーにピッタリで、異国の街を爽やかに流れる風そのものです。

シボネー

今回は、本CDに収められている≪シボネー≫を紹介致します。この曲は、キューバの大作曲家であるエルネスト・レクォーナの作品で、原題は《カント・シボネイ》(シボネイの歌)です。曲名の〈シボネー〉は、キューバの原住民であるインディオの種族名で、彼等はコロンブスの発見以来、半世紀ほどの間で絶滅してしまいました。レクォーナは昔を忍んで、このシボネー達への恋歌を書いたのでしょう。ナナは、<椰子の葉のささやきに、貴方がたが想い出されます。私の歌のこだまを聴いて下さい。>と、シボネー達にやさしく語り掛けていきます。(永田文夫氏の解説に準拠しました。)

シボネー SIBONEY  対訳;永田文夫

シボネー 貴方を死ぬほど愛しています
シボネー 椰子の葉のささやきに
貴方を思っているのです
来て下さい 貴方は私の宝のすべてと
貴方を愛しているのですから
シボネー 椰子の葉のささやきに
貴方を思っているのです


私の夢のシボネーよ 
もしも貴方が 私の声の嘆きを聞かず
シボネーよ ここへ来てもくれないなら
私は恋に死ぬでしょう
私の夢のシボネーよ 
私は小屋で 切なく貴方を待っています
シボネーよ ここへ来てもくれないなら
私は恋に死ぬでしょう
水晶のような 私の歌のこだまを聞いて下さい


私の夢のシボネーよ 
私は小屋で 切なく貴方を待っています
シボネーよ ここへ来てもくれないなら
私は恋に死ぬでしょう
水晶のような 私の歌のこだまを聞いて下さい


ジャングルの物音にまぎれ 聞きそこなったりしないでね

ナナは、<シボネー達への恋歌>を、想いを込めてこよなくロマンティックに演唱します。ナナのスペイン語の魅力が発揮された佳曲です。