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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “シエリト・リンド”

NANA MOUSKOURI “シエリト・リンド”

写真は、アルバム・タイトル≪ある恋の物語~ラテンの心を唄う/ナナ・ムスクーリPHILIPS PHCA-115 1991)の邦盤CDの表面です。このアルバムは、ラテンのスタンダード・ナンバー集で、お馴染みの名曲にフレッシュなアレンジが施されており、ラテン・ヴォーカルの醍醐味を余すところなく味わうことが出来ます。ナナの情熱を込めてメロディアスに唄い上げる歌声は、ラテン・ナンバーにピッタリで、異国の街を爽やかに流れる風そのものです。

シエリト・リンド

今回は、本CDに収められている≪シエリト・リンド≫を紹介致します。この曲は、19世紀後半に作曲されたメキシコ民謡です。タイトルの≪CIELITO LIND≫は、直訳すると≪美しい空≫という意味ですが、歌詞の中では、〈シエリト・リンドよ、こんなに君を愛している。〉と、愛する人への呼び掛けとして使用されています。この曲は、スペイン原産と言われていますが、メキシコ各地で違った形で歌われており、ナナが唄う歌もその一つで、ウアステカ地方のソン・ウアステコのスタイルだそうです。(永田文夫氏の解説に準拠しました。)

シエリト・リンド CIELITO LINDO COMO TE QUIERO 対訳;永田文夫

いとしい人よ 死ぬとき初めて
私はあなたへの愛を捨てるだろう
私の心は あなたの心にくっついている
まるで鍛冶屋がつけたみたいに アイ・アイ・アイ
うたいなさいよ 泣かないで
かわいらしい人形よ
汚れないモレーナよ あなたは花を愛している アイ・アイ・アイ


日曜から日曜へと
私はあなたに会いに来る
日曜日はいつだろう
シエリト・リンドよ
帰るための・・・
日曜から日曜へと・・・
一週間全部が日曜だったら いいのになあ
一本の矢を屋内へ
自信たっぷりに私は放つ
だがその矢を放つ時
シエリト・リンドよ 矢は私を傷つけた アイ・アイ・アイ
致命的な傷を受けて
あなたがなおしてくれなければ
シエント・リンドよ 私は生命を落とすだろう アイ・アイ・アイ


別れはそんなにつらくないと
人は言う
そんなこと言う奴に言っておやり
シエリト・リンドよ
別れましょう・・・と
別れはそんなにつらくないと
人は言う
そんなこと言う奴に言っておやり
別れましょう・・・と
一週間全部が日曜だったら いいのになあ・・・


かわいらしい人形よ
花を愛する 汚れのないモレーナよ
かわいらしい人形よ
シエリト・リンドよ
うたいなさいよ 泣かないで・・・

ナナは、ラテンの軽快で美しいメロディー・ラインに乗って、愛する人への切ない想いを淡々と語り掛けていきます。