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吉祥寺のオーディオ機器とNana Mouskouriのレコード・CD専門店ブログ。

NANA MOUSKOURI “カミニート(小径)”

NANA MOUSKOURI “カミニート(小径)”

写真は、アルバム・タイトル≪ある恋の物語~ラテンの心を唄う/ナナ・ムスクーリPHILIPS PHCA-115 1991)の邦盤CDの表面です。このアルバムは、ラテンのスタンダード・ナンバー集で、お馴染みの名曲にフレッシュなアレンジが施されており、ラテン・ヴォーカルの醍醐味を余すところなく味わうことが出来ます。ナナの情熱を込めてメロディアスに唄い上げる歌声は、ラテン・ナンバーにピッタリで、異国の街を爽やかに流れる風そのものです。

カミニート(小径)

今回は、本CDに収められている≪カミニート(小径)≫を紹介致します。この曲は、アルゼンチン出身のタンゴ作曲家であるファン・デ・ディオス・フィリベルトが作曲し、歌手であったガビアン・コリア・ペニャローサが歌詞を書きました。<カミニート>は、スペイン語で小道/小径のことで、ブエノスアイレスのボカ地区の通りとするのが一般的ですが、作詞家の故郷の小道とする説もあります。かつて愛する人と共に歩いた思い出の小道との別れを告げに訪れた心境が綴られております。(永田文夫氏の解説に準拠しました。)

カミニート(小径)CAMINITO 対訳;永田文夫

あの人が去ってから 悲しく暮らしている私
親愛なカミニートよ 私もまた去って行く


あの人は行ってしまい 二度と帰って来なかった
私もあとをつけて行く さようなら カミニート


時が消し去ったカミニート
お前はある日 私達が通って行くのを見ていたわ
これが最後と私はここへ
この身の不幸を話しに来たの
あの頃お前はクローバーや
水仙の花に刺繍されていたが
もうすぐお前も ひとつの影になるだろう
私と同じく ひとつの影に・・・


あの人が去ってから 悲しく暮らしている私
親愛なカミニートよ 私もまた去って行く


あの人は行ってしまい 二度と帰って来なかった
私もあとをつけて行く さようなら カミニート


毎夕 愛をうたいながら
幸せに歩きまわったカミニート
もう一度 あの人が通っても言わないで
私の涙がお前の上にまかれたことを
あざみにおおわれたカミニート
時の手が お前の跡を消してしまった
お前の傍に 私も倒れてしまいたい
私達二人とも 時が消してゆくように・・・


あの人が去ってから 悲しく暮らしている私
親愛なカミニートよ 私もまた去って行く


あの人は行ってしまい 二度と帰って来なかった
私もあとをつけて行く カミニートよ さようなら

ナナは、タンゴの軽快で美しいメロディー・ラインに乗って、愛する人との思い出の小道への悲しい心境を切々と唄います。