NANA MOUSKOURI “兵士のバラード”
写真は、アルバム・タイトル≪NANA MOUSKOURI CHANTE LA GRECE≫(FONTANA SFX-5043 1972)の邦盤LPの表面です。このLPは、ナナのオランピア劇場実況録音盤ですが、録音時期の記載はありません。彼女が母国のギリシャ語で唄ったギリシャの歌が集められております。ナナは、舞台の上でもいつものように素直なフィーリングで、しっとりとした情感のこもった唄声を聞かせます。
兵士のバラード
今回は、本LPに収められている≪兵士のバラード≫を紹介致します。この曲は、ナナの恩師であるギリシャの作曲家であるマノス・ハジダキスが作曲し、ギリシャの詩人であるニコス・ガトソスの作詞による歌で、恋人が戦争に行く女性の心情が唄われております。彼が危険に身をさらしたり、捕虜になったりしないで、無事に家に帰ってくることを願う彼女の言葉が綴られております。
兵士のバラード I BALLADA TOU STRATIOTI
勇敢な彼が
戦争に向かう間
彼を愛する人が
泣きながら懇願した
彼を愛する人が
泣きながら懇願した
自分を見失わないように
遠く離れた戦いで
銃剣や敵の剣から
身を守って下さい
前に進み過ぎず
後ろに留まり過ぎず
前方に留まらないで
真ん中で留まって
前方に留まらないで
真ん中で留まって
真ん中にいる男だけが
走り方と飛び方を知っており
いつか家に帰るのは
彼だけ
ラララ・・・ ラララ・・・
ナナは、ジ・アテニアンズによる優美なメロディー・ラインに乗って、戦場に向う彼に切ない祈りを語り掛けていきます。